さらに大森が「裏テーマ」と呼ぶ狙いがあった。

「アーティストが他のアーティストの文化に触れて、刺激し合える機会が年に一回ぐらいあってもいい。お互いの文化に触れることで、それぞれがより大きな責任を背負っていく──それがこの『CEREMONY』の真の目的なんです」

Mrs. GREEN APPLE 「セレモニー」完全密着12時間から見えたミセスの真実 <前篇>

多様なラインアップについては、「個で成立しているという文化」が共通点だと説明する。「それぞれがやっぱり多種多様であり、それぞれのブランドをちゃんと確立している。だからこそそのブランドを一つの場所で一度に楽しめる機会を作った。売れてるからすごいわけじゃないし、知名度がないから下手なわけじゃない。全部の逆説をちゃんと唱えたい」

この瞬間から、『CEREMONY』という名の新しい音楽文化の挑戦が、静かに始まろうとしていた。

14時30分、開場時刻を迎えると、ドレスアップした2万人の観客が続々と会場を埋めていく。華やかな装いに身を包んだファンたちの熱気が、いやがおうにも会場の温度を上げていった。

一方、楽屋では、ミセスの3人が開演を前にした最後の準備を整えていた。最初の挨拶を担う彼らに、改めて心境を尋ねると、若井は「ワクワクしかない。いろんなマジックが起きる気がしますね」と期待に胸を躍らせていた。

ステージ裏に移動し、本番を前に談笑する3人。リラックスした様子に見えたが、近くで彼らの言葉に耳を傾けると、実は周到な段取りの確認をしている。

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