大友克洋さんの同名漫画を原作としたハリウッド実写映画版『AKIRA』の制作が白紙になってしまったようだ。

海外メディア「Hollywood Reporter」が6月27日、米ワーナー・ブラザースが映画化権を手放したと報じている(外部リンク)。

ハリウッド版『AKIRA』はもともと、2021年5月21日に全米公開が予定されていたが、2019年7月に無期限の制作休止が決定。以降、公開されるのかわからない状況が続いていた。

制作決定と中止を繰り返してきた米実写版『AKIRA』

大友克洋さんの漫画『AKIRA』は、ワーナー・ブラザースが2002年に映画化権を取得。映画の企画が進められてきたが、これまでに幾度となく頓挫を繰り返してきた。

そうした流れもあって、2019年に俳優のレオナルド・ディカプリオさんがプロデューサー、俳優としても活躍するタイカ・ワイティティさんが監督をつとめ、2021年5月21日に公開されると発表された時には、大きな話題を呼んだ。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響や他作品とのスケジュール衝突でプロジェクトは再び停止。正式な続報のない状態が続いていた。

実写版プロデューサーの「期待していてほしい」の真意とは?

ハリウッド実写映画版『AKIRA』を巡っては、直近でも興味深いトピックスがあった。

2025年4月11日、映画のプロデューサーの一人であるAndrew Lazarさんが、YouTubeチャンネル「Moovy TV」に出演。インタビュアーからの「実写版『AKIRA』の情報はある?」との質問に、「今言えることはないけど、2〜3ヶ月以内にアップデートがあると思うよ。期待していてほしい」と発言していた。

この「期待していてほしい」という言葉をどのように捉えればいいのか。アップデートとは今回の“白紙”なのか。

Hollywood Reporterによれば、ワーナー・ブラザースが手放した権利は講談社へと返還されるという。

さらに現在、複数のプロデューサーや俳優陣が本プロジェクトへの参加を希望して名乗りを上げており、企画は一部の映画スタジオや配信プラットフォームへの提案に向けた準備が進行中と報じている。

大友克洋の『AKIRA』 世界的人気作ゆえに動向が注視される

日本の漫画やアニメのハリウッド実写映画化には、こうした制作中止や企画の頓挫、制作の再開がお馴染みとなっている。とはいえ、『AKIRA』は漫画/アニメ共に世界的な人気を誇る作品だけに、進展があるたびに報じられてきた。

なお、『AKIRA』を巡っては、原作者・大友克洋さんが監督をつとめる新作SF長編アニメーション映画『ORBITAL ERA』(オービタルエラ)と、『AKIRA』の新アニメ化プロジェクトについても、2019年7月の発表から続報がない状態が続いている。

ポップポータルメディア「KAI-YOU」の編集部(2013年3月15日より運営開始)。重要性の高いニュース記事に加え、クリエイターへのインタビューや発表会、展覧会などのイベントレポート、独自の視点・切り口からのレビューやコラムなども多数配信。ポップカルチャーと現代社会が相互に影響し合う歴史を記録しながら、シーンの最先端にある新たな価値観や才能を発掘・発信している。

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