『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で第2回日本ホラー映画大賞を受賞した近藤亮太監督の最新作『〇〇式(まるまるしき)』が、6月27日(金)からシモキタ-エキマエ-シネマ K2で先行上映される。

過度な演出を排し、観る者の解釈に委ねる『〇〇式』は、『リング』『呪怨』などの“Jホラー”の次なる波として注目される“ポストホラー”の流れを汲む意欲作。

公開を直前に控え、作家のさんや背筋さんなど、現代ホラーシーンを牽引する総勢21名のつくり手や語り手からコメントが到着した。

『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』監督が描く、新たな“式”

『〇〇式』は、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』のほか、『イシナガキクエを探しています』『飯沼一家に謝罪します』で演出を手がけた近藤亮太監督の最新作。

脚本は近藤亮太監督と、漫画『N』の原作や『或るバイトを募集しています』などで知られる新鋭ホラー作家・くるむあくむさんが担当した。

映画『〇〇式』より

描かれるのは、どこかに存在する、とある“式”の物語。撮影バイトとして、とある式に足を踏み入れた2人の男が、いつの間にか逃れられない“何か”に遭遇するというあらすじだ。

観客はスクリーンを越えて物語に巻き込まれ、式の真相を探る“参列者”になるという。

『〇〇式』本予告「我々は、今、何を確認させられたのだろうか」 ポストホラーの担い手が反応

『〇〇式』のような作品は、ジャンプスケアに代表される直接的な恐怖演出ではなく、静かな違和感や不穏な空気感を重視した“ポストホラー”と呼ばれている。

ポストホラーとは、ホラー映画の一大ジャンルとして確立されたJホラーの次なるムーブメントとして、近年盛り上がりを見せる新興ジャンル。違和感、不穏、観客の解釈を重視しているのが特徴だ。

映画『〇〇式』より

映画『〇〇式』より

雨穴さん、くるむあくむさん、背筋さん、梨さん、シークエンスはやともさんといったホラーの発信者・実演者たちがこうした潮流を牽引しており、多様な領域から“ホラーの再定義”が進んでいるという。

今回、こうした“ポストホラー”の現在地を象徴する一本として、多方面から注目される『〇〇式』に、現代ホラーの最前線を走るクリエイターたちがコメントという形で”参列”。

近畿地方のある場所について』の作者・背筋さんは「観終えたとき、それが『わかってしまった』ように思います」と意味深な言葉を残し、「行方不明展」を手がけた梨さんは「我々は、今、何を確認させられたのだろうか」と問いかける。

映画『〇〇式』より

映画『〇〇式』より

さらに、『呪怨』『犬鳴村』などを手がけるJホラーの巨匠・清水崇さんや『フェイクドキュメンタリーQ』の寺内康太郎さんら21名がコメント。

現在、すでに先行上映館である下北沢K2の初週の週末分は完売。平日回および以降の座席が順次販売中のほか、7月4日(金)からは全国映画館にて順次公開予定だ。

2000年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。2020年10月にVRニュースメディア『PANORA』にてWebライター活動をスタートし、2021年11月に公開の記事「VRChatに週100時間ダイブするドハマりプレイヤーが語る、もはや引き返せないメタバース生活」がきっかけで、ABEMA Primeに出演。2022年4月にはソーシャルVR領域のユーザーカルチャー情報に特化したWebメディア『メタカル最前線』を創刊。2024年3月までの間、編集長を務める。KAI-YOU Medium Tech.所属。

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