米アップルは、メディア業界の大物ピーター・チャーニン氏が率いるエンターテインメントスタジオ、ノース・ロード製作の新作映画を配給する契約を結んだ。映画事業への野心を強めるアップルの姿勢が示された。
今回の契約に伴い、チャーニン氏が企画する新作プロジェクトについてアップルが優先権を獲得する。ノース・ロードは過去5年間にわたりネットフリックスと提携していた。ノース・ロード傘下のチャーニン・エンターテインメントは他のスタジオ向けに企画した映画の製作を継続することが可能で、ネットフリックスでは2作品が間もなく公開される。
アップルは自社の動画配信サービス「Apple TV+」を強化するため、映画事業を拡大してきた。
同社はこれまで「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」や「セヴェランス」などオリジナルドラマで数本のヒット作を送り出してきたが、映画分野ではまだ同様の成功を収めていない。27日には同社の野心的な映画作品の一つとされるブラッド・ピット主演の「F1/エフワン」の公開を予定している。
チャーニン氏は投資家・プロデューサーとしてメディア業界で尊敬されている人物の1人。ニューズ・コーポレーションやフォックスでルパート・マードック氏とともに長年にわたり幹部を務めた後、自身の会社を設立した。
原題:Apple Seals Movie Deal With Media Mogul Peter Chernin(抜粋)