欲望について語ることの難しさと美しさを描いた『Want Me』では、著者の性欲や愛情を巡る葛藤を赤裸々に綴っている。社会の「こうあるべき」という規範にとらわれず、自分自身の欲望を認めること。その過程が、自己受容への道と重なり合う。これらの本を読み返して思うこと。それは、「女性としての生きづらさ」と向き合うことは、人間としての尊厳を取り戻す過程でもある、という事実だ。
DANIEL TAKEDA
竹田ダニエル。研究者、ジャーナリスト。シリコンバレー生まれ、Z世代ならではのデジタルネイティブな感覚、俯瞰の分析力、たくみなリズムの文体で、さまざまな社会問題や事象を分析する。『世界と私のA to Z』(講談社)など、著書も多数。Instagram @daniel_takedaa
Select & Text: Daniel Takeda Editor: Toru Mitani
※『VOGUE JAPAN』2025年7月号「美しさと対話する、読書時間」転載記事。