FAB FIVE Japanese Breakfast Michelle Zauner

ミシェル・ザウナーの音楽ソロプロジェクト であるジャパニーズ・ブレックファストの最新アルバム『For Melancholy Brunettes(& Sad Women)』をリリース。 6月11日と13日の来日公演の詳細はこちら。Photo: Pak Bae(『For Melancholy Brunettes(& Sad Women)』)

ミシェル・ザウナーにとって2021年は大きな転機となった。作家デビュー作である回顧録『Hマートで泣きながら』がベストセラーを記録し、ソロプロジェクトのジャパニーズ・ブレックファスト名でリリースしたサードアルバム『Jubilee』が第64回グラミー賞の主要4部門を含む2部門にノミネート。2022年はその成功アーティスト、作家により、カルチャーアイコンとして一気にメインストリームへと駆け上がった。しかし、その成功を喜ぶ一方で、彼女は不安にも苛まれていた。「ずっと望んできたことを達成した喜びは大きかったですが、同時に恐怖にもかられたんです。このまま調子に乗っていたら、何がしかの形で罰を受けるのではないかと。本来は自分と自身の芸術と向き合い、パフォーマンスをすることだけに集中しているのに、その均衡が大きく崩れたので、このままではいけないと。私は欲しいものを手に入れたいという、欲望という名の誘惑に負けて、人生の歯車が狂っていくのが怖かった。そんな思いを形にしたのが、新作アルバム『For Melancholy Brunettes(&Sad Women)』です」極上のメロディに乗って語られるザウナーの繊細で詩的な歌詞の行間には、欲望を抑えきれずに堕ちていく哀しみのメランコリーと、柔らかな光が差し込んでいる。2024年は韓国に滞在して語学学校に通った。「ヨーロッパからの若い留学生のほうが、母親が韓国人の私よりもずっと優秀だったりして、恥ずかしい思いもしました(笑)。ただ、毎日10分、日記を書くことを自分に課していたので、1年分のネタはたまりました」。次の著書は、そんな韓国での体験を題材にする予定だ。

1 新作アルバムのタイトルに絡めて、あなたが メランコリックな気分のときに聴く楽曲は?
坂本龍一の「美貌の青空」です。オープンワールド探索ビデオゲーム「Sable」のサウンドトラック(『Sable』)を手がけているときに、アンビエントなクラシック音楽をいろいろ

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