読書の効能とは何か。『座右の一行 ビジネスに効く「古典」の名言』を上梓した齋藤孝さんは、「本の中の言葉は“心の拠りどころ”だ。なかでも古典の言葉には時を超えた普遍性があり、変化や苦難に立ち向かう精神的支柱になる」という――。
「安定した時代」など存在しない
今は先の見えない不安定な時代と言われます。
新型コロナウイルスによるパンデミックがようやく収束したかと思えば、世界各地で戦火が広がり、日本国内では物価高による負担増が人々の暮らしに重くのしかかる。
平穏とは言いにくい状況が続いているので、漠然とした不安を感じる人が増えているのでしょう。
しかし歴史を学べばわかるように、実は安定した時代などほとんど見当たりません。
20世紀を振り返っても、2度の世界大戦に東西冷戦と極めて不安定な状況が続いたわけで、なにも21世紀になっていきなり激動の時代になったのではありません。
いつの時代も人間は思いがけない環境変化や危機に直面してきた。それが正しい認識ではないでしょうか。
ならば安定を当たり前とせず、むしろ不安定さを前提として「時代の変化にどう適応するか」を考えるほうが建設的です。ダーウィンも『種の起源』において「環境に適応したものが生き残る」と述べています。
変化を脅威と見なすのではなく、自分を変えるチャンスと前向きに捉え、新しいものを柔軟に取り入れていく。
波乗りを楽しむサーファーのように、変化の波をうまく乗りこなせば、環境に適応しながら自分自身を進化させていけるはずです。
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