撮影・粂川真木彦

演技の壁 登り始めました

実は演技は「きらい」だった。その理由は「下手だから」。ところが今回の映画の仕事は「150%やってよかった」というほどの経験になった。

TikTokに投稿した動画が「天使」のようにかわいいと人気に。SNSからテレビ、歌手などと順調に活動を広げてきた。ところが演技をしてみると、「初めて壁を感じて、この壁やだな」と苦手に思っていた。

映画「見える子ちゃん」で演じた二暮堂ユリアは、霊が見えるといい、周りからういている女の子だ。自身も中学生のころ学校になじめず、いじめにあった。高校生になってSNSへの投稿を始めると、変わっていると周りに白い目で見られた。「ユリアちゃんみたいな感じだったのかも」とふり返る。

撮影は「自分との戦い」になった。でも、監督の中村義洋さんが丁寧に向き合ってくれた。初日には、ユリアが一言話すシーンのために、30~40分も撮り直しをした。しかし同じシーンをくり返すうちに役をつかめた。演じきり、すべての撮影が終わったときには号泣してしまったという。

この経験が「登れずあきらめていた壁を、登り始めるきっかけをくれた」と話す。これからはさらに演技に挑戦し、「なえなのの生まれた場所、原点」であるSNSでの活動と両立していく。

映画では霊が見える役だが、日常の中で見えたことは「一度もない」。けれども映画の撮影でふしぎな経験をしたという。撮影前、ほかの俳優たちはおはらいを受けたが、自身は仕事でおはらいに行けなかった。ある日、撮影の後に涙がとまらなくなった。霊が見えるという友だちにおはらいをしてもらうと、急に楽しくなったそうだ。「だから霊は本当にいると思う。けど、こわくはないです」

映画「見える子ちゃん」
6月6日 全国公開

©2025『見える子ちゃん』製作委員会 KADOKAWA配給

ある日突然、霊が見えるようになった高校生、四谷みこ。霊と関わりたくないみこは、見えていないふりをしてきたが、クラスに新しくやってきた先生に異様な霊がついていることに気がつく。その霊の影響か、親友のハナに異変がおき、たおれてしまった。ハナを助けるため、みこはなぞを追う。

なえなの

撮影・粂川真木彦

 2001年1月14日生まれ、静岡県出身。ユーチューブやTikTokなどSNSでの活動をきっかけに、同世代を中心に高い支持を集める。23年に歌手デビュー。

(文・小貫友里)

(朝日小学生新聞2025年5月30日付)

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