音楽業界の主要5団体が立ち上げた「カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会」(CEIPA)が主催する国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』(MAJ)の表彰式が21日、22日にロームシアター京都で開催。新しい学校のリーダーズが、「最優秀国内ダンスポップアーティスト賞」と「最優秀ダンスパフォーマンス賞」(「オトナブルー」)の2冠に輝いた。「最優秀ダンスパフォーマンス賞」においては、ほかにNumber_i、BE:FIRSTらがノミネートされたが、新しい学校のリーダーズの“個性”が他を抑えて高く評価された。

ATARASHII GAKKO! – オトナブルー (Official Music Video)

「(「オトナブルー」)は小さなスタジオの中、4人でなんとなく良いねって生まれた動きが世界中に届いて、たくさんの首振り人口を増やすことができ、とても光栄でございます。ライブでもみんな首を振ってくれて、ステージからの景色はまるで地盤が歪んでいるかのような、素晴らしい景色です」(MIZYU/『MAJ』授賞式より/※1)

 「最優秀ダンスパフォーマンス賞」を受賞した「オトナブルー」は、首をクイックイッと左右に動かす“首振りダンス”がTikTokで話題となったことで知られる。縦横無尽にフォーメーション移動をしながらパフォーマンスを展開し、楽曲の最も重要なサビで一転コンパクトに首振りダンスを繰り出すというギャップがインパクトを与えた。シンプルな動きながら見た目以上に難しいことや、上半身だけで魅せることができるTikTokに適した画角でもあったことから、首振りダンスに挑戦した数多くの動画がSNSに投稿され「TikTok上半期トレンド大賞2023」大賞を受賞し、現在までに関連動画は31億回以上の再生数を記録している。また、2023年の『第65回 輝く!日本レコード大賞』にて同曲が優秀作品賞を受賞したほか、その年末に行われた『第74回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、トップバッターで「オトナブルー」が披露されたことも記憶に新しい。

 新しい学校のリーダーズは「個性や自由ではみ出していく」ことをコンセプトに、MIZYU、RIN、SUZUKA、KANONの4人で2015年に結成され、2017年にテレビドラマ『女囚セブン』主題歌「毒花」でメジャーデビューした。メンバーは全員ダンス経験者で、MIZYUは“きゃりーキッズ”として小学生時代にきゃりーぱみゅぱみゅのバックダンサーを務めていた。コレオグラファーを起用することなく、メンバー自らによって振り付けが考えられていることにより、自由で型にはまらない斬新で目を引くインパクトの強いダンスを数多く生み出してきた。例えば「Change」では馬に乗って疾走している時のような動きを取り入れ、「恋ゲバ」ではお互いが殴り合っているような動き、「Fantastico」ではリンボーダンスが出て来るなど、どれもコミカルでユーモアにあふれたものばかり。さらに「最終人類」で魅せる、馬跳びなどを盛り込んだ組体操のような振り付けも人気だ。

ATARASHII GAKKO! – Change (Official Music Video)

ATARASHII GAKKO! – 新しい学校のリーダーズ 「恋ゲバ」

【Fantastico】Dance Practice  ATARASHIIGAKKO! 新しい学校のリーダーズ

ATARASHII GAKKO! – 新しい学校のリーダーズ 「最終人類」

 海外でも新しい学校のリーダーズのパフォーマンスは高く評価されており、アジアのカルチャーを世界に発信している音楽レーベル・88risingと契約。2021年にデジタルシングル「NAINAINAI」で世界デビューを果たし、海外では“ATARASHII GAKKO!”名義で活動している。また、米・女性ラッパーのカーディ・Bの楽曲「WAP」に合わせて足を上げてダンスする“ハイキックスクワット”動画をTikTokに投稿したところカーディ・B本人の目に止まり、カーディ・BとのSNSでのやりとりが話題を集めたというエピソードも、彼女たちの存在が海外で広く知られるようになった要因の一つとして有名だ。

 海外に進出して以降は日本のフェスへの出演と並行して、『Head In The Clouds Festival』や『Clocken Flap』など海外のフェスティバルへ積極的に出演。2024年には、アメリカ最大級の野外音楽フェス『Coachella Music and Arts Festival』に出演して「GOBI STAGE」の大トリを飾ったことや、ヨーロッパ最大級の音楽フェスである『Primavera Sound』に出演したことも大きな話題となった。これまでに3度の海外ツアーを経験しており、2023年に北米・香港・バンコクを含めた計10公演からなる初のワールドツアー『ATARASHII GAKKO! THE SEISHUN TOUR』を開催。昨年は、ヨーロッパ・アジア・北米の26カ所を巡る『AG! Calling Worls TourPt1』と「Pt.2」を開催し全世界で6万5000人、日本7都市13公演の『NIPPON Calling Tour』と合わせて合計11万5000人を動員した。

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