週刊エコノミストは、各界の第一人者にロングインタビューを試みてきました。2004年から「ワイドインタビュー問答有用」、2021年10月からは「情熱人」にバトンタッチして、息長く続けています。過去の記事を読み返してみると、今なお現役で活躍する人、そして今は亡き人たちも。当時のインタビュー記事から、その名言を振り返ります。※記事中の肩書、年齢等は全て当時のままです。

テレビ演出50年 テレビマンユニオン副会長 今野勉

ワイドインタビュー・問答有用(2009年11月24日)

日本でテレビ放送が始まって56年。テレビは今、インターネットの普及に伴う視聴者離れやデジタル化・多チャンネル化など、大きな転換点を迎えている。業界の黎明期から番組制作の一線に立ち続けてきた今野勉さんに、テレビへの思いや将来展望を聞いた。(聞き手=岡下貴寛・編集部)

 今野勉さんはテレビディレクターとして、今年でキャリア50年の大ベテラン。今なお年1~2本は長編作品を演出している。昨年、読売テレビ開局50年記念番組として制作されたドキュメンタリードラマ「日中戦争秘話 ふたつの祖国をもつ女諜報員――鄭蘋如(テンピンルー)の真実」(日本民間放送連盟賞優秀賞受賞)は、今野さんが脚本・演出を担当した。今年は米ハードボイルド作家、レイモンド・チャンドラーの人物像に迫るドキュメンタリー「レイモンド・チャンドラー ~マーロウはシシーを待っていた~」(NHK・BSハイビジョンで4月放送)を制作した。

手探りで身につけた「テレビの方法論」
―― なぜテレビの世界へ。

今野 大学では社会学専攻で、新聞記者になりたかったんです。でも、北海道の実家にこもって卒業論文を書いているうちに、大手新聞社の採用試験は終わってしまった。とにかく報道の仕事をしたくてラジオ東京を受け、たまたま入ったわけです。

 ラジオ東京がちょうどテレビ放送を始めたころで、僕が入社…



残り5080文字(全文5880文字)


週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。


・会員限定の有料記事が読み放題

・1989年からの誌面掲載記事検索

・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)















WACOCA: People, Life, Style.

Pin