5月23日は、元女子プロレスラー木村花さんの命日だ。今年も後楽園ホールで「木村花メモリアルマッチ 花火」が開催される。花さんの母で、現在もフジテレビとの裁判、そしてSNSの誹謗中傷をなくすための授業や講演などの活動を行う木村響子さんに思いを聞いた。《NumberWebインタビュー最終回/第1回第2回も公開中》

 2020年からのこのおよそ5年間、木村響子さんは身を粉にして走りまわっている。誹謗中傷の被害者も加害者も生まないために。子どものうちから、正しいSNSの使い方を考えてもらうために。そして、人権侵害をした番組づくりの事実調査を進めるために。

木村響子さん(以下、木村) 大きく分けると2つありまして、1つはフジテレビとイースト・エンタテインメント(現イースト、「テラスハウス」制作会社)との裁判(安全配慮義務違反に基づく損害賠償の請求)で、その裁判費用のために、グッズの販売や年に1度のメモリアル興行(今年も命日の5月23日、後楽園ホールで開催)をやっています。もう1つは、「NPO法人Remember HANA」を設立して、SNSによる誹謗中傷をなくそうということを伝えるために、授業や講演をしています。ほんとはもっといろんなことをやりたいんですけど、とにかく時間が足りなくて……。

木村 デジタルデトックスのイベントで、みんなで(スマートフォンを)機内モードにして、海辺でごみを拾って、貝殻で何かをつくったり。個人的には、お遍路さんもやりたい。けど、時間がなくてなくて。

――授業や講演会では、花さんより下の世代の子どもたちに、どのようにしてSNSの使い方を伝えているんですか。

木村 生徒と先生、保護者と子どもという接し方ではなくて、人間と人間、そういう関係で対話をしています。SNSの正解や人権にまつわることは日々変わっているので、常に自分の心、いま起きていることと向かいあって、最善の策を取れるように考えて、言葉にして、みんなに伝える練習。発言している子どもの言葉を理解する練習を兼ねて、全部を質問形式で、シンキングタイムを設けています。学校に行く前にアンケートを取るんですけど、「なんでSNSで出会っちゃいけないんですか」「大人には出会い系アプリがあるのに、なんで子どもはダメなんですか」っていうのがあるんですよ。出会いたいんですよね、子どもも。

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