「『父と僕の終わらない歌』でアルツハイマーを患う親と接する息子を演じたことは、『御上先生』に臨むうえで参考になりました。置かれた状況は異なりますし、物語がリンクするわけではありませんが、すべてが経験として生きています」
役者としての自身の方法論が確立されてもなお、貪欲に“獲りに行く”姿勢。それは、学ぶことは変わることであり、昨日までの自分に固執しないという松坂の考えの表れだ。そして本作では、念願だった寺尾聰との共演を果たした。
「父として感情のコントロールを超える芝居をしてくださったおかげで、僕もラストシーンは気持ちが抑えられず、涙が止まらなくなりました。これまでに経験がないことです」と、印象的なシーンを振り返って微笑んだ。
松坂桃李
俳優/1988年生まれ、神奈川県出身。近作にドラマ「御上先生」、映画『雪の花 -ともに在りて-』。声優を務めた映画「パディントン 消えた黄金郷の秘密」も公開予定。
映画『父と僕の終わらない歌』
アルツハイマーになった父が息子に支えられて80歳で歌手デビューしたイギリスの実話を、『タイヨウのうた』『ちはやふる』シリーズの小泉徳宏監督が日本版として翻案。楽器店の店主(寺尾聰)は闘病生活の中、イラストレーターの息子(松坂桃李)とともに夢に向かって二人三脚で奮闘していく。
WACOCA: People, Life, Style.