【GWおすすめ本】時間を忘れる面白さ!「直木賞受賞作」の“休日に読みたい作品”3選(ブックガイド)

「連休中は出かけようとしてもどこも人が多くて大変…」
そんなふうに今年のゴールデンウィーク(GW)、どう過ごそうか悩んでいる人は要チェック!
連休を家でのんびり読書してすごしませんか?

今回はどんな本から読めばいいかわからない…という人にも鉄板でおすすめの「直木賞受賞作」から3作ご紹介します。

『藍を継ぐ海』伊与原新[著](172回(2024年下半期)受賞)


『藍を継ぐ海』

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺にーー。
徳島の海辺の小さな町で、なんとかウミガメの卵を孵化させ、自分ひとりの力で育てようとする、祖父と二人暮らしの中学生の女の子。年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする北海道の身重の女性。山口の見島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男。長崎の空き家で、膨大な量の謎の岩石やガラス製品を発見した若手公務員。都会から逃れ移住した奈良の山奥で、ニホンオオカミに「出会った」ウェブデザイナーの女性ーー。人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、科学だけが気づかせてくれる大切な未来。『宙わたる教室』『月まで三キロ』『八月の銀の雪』の著者による、心揺さぶられる全五篇。

【伊与原新さんのエッセイを読む】
「科学は人類の好奇心が生み出した最も強力な理屈である」東大大学院の地球惑星科学に在籍した作家・伊与原新が綴る

『ツミデミック』一穂ミチ[著](171回(2024年上半期)受賞)


『ツミデミック』

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」  調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」  先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話。

【一穂ミチさんのインタビューを読む】
『ツミデミック』ロングインタビュー「コロナ禍は私たちにとって『箱庭の洪水』だった」

『ともぐい』河崎秋子[著](171回(2023年下半期)受賞)


『ともぐい』

己は人間のなりをした何ものか――人と獣の理屈なき命の応酬の果てには明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!

【河崎秋子さんの対談を読む】
『ともぐい』新たな熊文学の誕生! 著者・河崎秋子と探検家が語る、狩猟と執筆に眠る人間の性とは

Book Bang編集部

2025年5月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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