米放送局CBSのビル・オーウェンス氏は、独立性の欠如を理由に報道番組「60ミニッツ」のエグゼクティブプロデューサーを降りる。同番組とCBSに対してはトランプ米大統領が訴訟を提起し、批判を繰り返している。

  CBSニュース在籍37年のベテランプロデューサーであるオーウェンス氏は、「これまで通りの番組運営ができなくなった」とスタッフ宛ての文書で説明。「番組と視聴者にとって何が正しいのかという判断に基づき、独立した決定を下すことはできなくなった」と述べた。 

Collision 2022 - Day Two

ビル・オーウェンス氏

Photographer: Piaras Ó Mídheach/Sportsfile/Getty Images

  オーウェンス氏は向こう数週間、番組に残る意向だとCBSのニュース事業・放送局の運営責任者ウェンディ・マクマホン氏は別の文書で明らかにした。オーウェンス氏の退任はニューヨーク・タイムズ紙が先に報じていた。

  昨年10月に放送された「60ミニッツ」のハリス副大統領(当時)特集を巡り、トランプ氏はCBSを提訴。民主党大統領候補だったハリス氏を好意的に見せる編集が選挙干渉に当たると主張し、200億ドル(約2兆8400億円)の損害賠償を求めている。

  トランプ氏は14日のソーシャルメディア投稿でも、政権を巡る同番組の報道を引き続き批判。連邦通信委員会(FCC)のカー委員長に対し、CBSへの罰金賦課と放送免許取り消しの検討を促した。

  この訴訟が一因となり、計画されていたCBSの親会社パラマウント・グローバルスカイダンス・メディアの合併は複雑化した。両社は依然、FCCの合併承認を待っている。

原題:‘60 Minutes’ Chief Caught Up in Trump Fight Leaves Program (1)(抜粋)

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