3月11日、安達祐実、相武紗季、磯山さやかがトリプル主演を務めるドラマ『夫よ、死んでくれないか』(テレビ東京系)の予告映像が公開された。この衝撃的なタイトルが発表されるや否や、ネット上では賛否の声が飛び交い、放送開始前から大きな話題となった。
ドラマは、結婚生活に絶望した3人の女性が手を取り合い、夫たちに復讐を果たすという内容。予告映像には、安達が「夫なんか死ねばいいのに!」と叫ぶ場面や、「夫たちよ、震えて眠れ」というキャッチコピーと共に夫を敵視するセリフが映し出された。これに対し、一部の視聴者からは「痛快で楽しみ」との期待の声が寄せられる一方、「男性に対するヘイトではないか」「逆だったら大炎上する」と批判的な意見も相次いでいるほか、多くのSNSでは「死」という漢字がNGワードとして引っかかるため、困惑している人たちも多いようだ。
しかし、最近のテレビ東京といえば、夫婦間の愛憎劇を描いたドラマで成功を収め続けている。本仮屋ユイカ主演の『私の夫は冷凍庫に眠っている』(2021年)、馬場ふみか主演の『夫を社会的に抹殺する5つの方法』シリーズ(2023〜2024年)、松本まりか主演の『夫の家庭を壊すまで』(2024年)など、夫への復讐ドラマを“全夫が震えるシリーズ”として展開。とりわけ、『夫の家庭を壊すまで』は見逃し配信の再生回数を伸ばし、大ヒットしたことから、『夫よ、死んでくれないか』もこの流れに乗る形で制作されたのだろう。昨今は視聴率よりも配信が重視されるようになっており、ドラマ制作において賛否両論を巻き起こすこと自体が戦略の一環なのかもしれない。
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過激化の背景には、芸能界の不倫スキャンダルに対する“世間のアレルギー”もある。アンジャッシュ・渡部建や東出昌大の不倫報道をきっかけに、「不倫は許されない悪」とする風潮が強まり、バッシングの嵐が吹き荒れた。今や芸能人の不倫は“犯罪”と同列であるかのように扱われるほどに忌み嫌われるようになり、一度報じられたが最後、テレビから消えて、復帰も容易ではなくなっている。この流れはドラマの世界にも波及し、不倫する側ではなく「された側」にフォーカスしたストーリーが急増するようになった。
不倫ドラマの変遷を振り返ると、視聴者の求めるものが明確に変わってきたことがわかる。かつては「失楽園」「昼顔」といった不倫を“禁断の恋”として描く作品が流行したが、視聴者の欲求は“背徳的な恋愛の陶酔”から“不倫した者への復讐と制裁”にシフト。純粋な恋愛ドラマが求められなくなったのではなく、視聴者はより強烈な感情の起伏を求めているのだろう。
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