伊江島で発見された遺骨(知念洋輝さん提供)
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琉球新報朝刊
沖縄戦で1945年4月16日に始まった伊江島をめぐる激しい戦いで犠牲となったとみられる約20人分の遺骨が、昨年8~9月、伊江村西江前の資材置き場から発見された。日本軍の物とみられる鉄かぶとや水筒、銃弾なども見つかった。
昨年8月28日ごろ、伊江島の戦中戦後の実話を基にした映画「木の上の軍隊」の製作中に発見された。同村で造園業を営む知念洋輝さん(38)が、映画に使う木を一時的に植えるため地面を掘ったところ遺骨が出てきた。5メートルほどの深さから約20人分の頭蓋骨や大たい骨、指の骨などが見つかった。

遺骨は現在、戦没者遺骨収集情報センターが管理する糸満市摩文仁の仮安置室に納められている。厚生労働省によると、古い墓の骨の可能性がないか、遺骨の一部を検体として同位体分析による確認作業を始めている。戦時中のものと確認できた遺骨については改めて検体を採り、身元確定のためのDNA鑑定をすることになる。鑑定結果が出る日程は決まっていない。
県保護・援護課によると、県内での戦没者遺骨は2023年度に61人分、22年度に46人分が見つかっている。1カ所から20人分も見つかるのは近年では珍しいという。
(玉寄光太、宮沢之祐)
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