4月18日からスタートする金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』でTBSドラマ初主演を務める間宮祥太朗。今作では、向こう見ずだが正義感に溢れる新米弁護士・宇崎凌役に挑戦する。ドラマ放送に先立ち、改めて俳優・間宮祥太朗の魅力を掘り下げ、『イグナイト -法の無法者-』への期待を書いてみたい。

 鋭い目力が映える美しい顔と、落ち着いた雰囲気の中にある色気が天性の誠実さを感じさせる間宮祥太朗。感情を丁寧に表現するのが実にうまく、照れや迷いのない演技を自然体に見せることができるので、どんな役柄でもキャラに負けず自分にしっかりと落とし込める稀有な役者だ。

 コミカルからシリアスまでどんな役柄でも演じられ、“イロモノ”のような個性的なキャラクターも自然と演じてしまう。『ナンバMG5』(フジテレビ系)や『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)の主人公のような“劇画タッチ”の濃いキャラを得意としている印象で、漫画原作が多い昨今の映画・ドラマ界では欠かせない存在だと言えるだろう。

 その一方、少女漫画に出てくるような王子様的存在や、気難しそうな先輩、エリート役など、どこか達観した雰囲気の人物を演じることも多く、そうした孤高な存在が時折見せる優しさだったり、クールに見えて実直な誠実さや熱いものを垣間見せることが巧みなところも間宮の魅力だ。主人公としてもちろん光る存在だが、脇役となった場合でもしっかりと存在感を放つことができる。『ルパン三世』で言うところの石川五ェ門のような存在感と言えば分かりやすいだろうか。

 ファッション誌の編集者たちを描いた2021年のドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)での若手編集のエース・中沢涼太役も間宮の代表作のひとつだ。編集部の雑用係的存在で夢もやる気もなかった主人公・奈未(上白石萌音)に最初はキツくあたり、奈未からは陰で「ドSの先輩」と呼ばれていた。しかし、中沢は奈未の真っ直ぐな姿勢にどんどん惹かれていき、「俺、お前のこと好きだわ。俺なら、お前のこと泣かせない」と告白、不器用ながらも優しさを見せていく。

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 奈未には潤之介(玉森裕太)という好きな人がいることは分かっているのだが、奈未のために行動をし続け、最後の最後まで誠実な男であり続けた。その姿に心惹かれた視聴者も非常に多かった。

 『ファイトソング』での好演も忘れがたい。演じたのは、かつてヒットを出した一発屋ミュージシャン・芦田春樹。本気で人を好きになったことがなかった芦田は、「人の心が分からないから良い曲が書けない」と追い込まれる。そんなときに出会ったのが、芦田の曲のファンでもある花枝(清原果耶)。彼女に恋をすることで、芦田はどんどん人間味を帯びていき、曲も完成していく。感情が未熟だった人物の成長を見事に間宮は表現していた。

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 間宮が見せる優しさや人間味、喜んでいる姿を見ると嬉しくなってしまうキャラを作り上げてしまうところに、役者としての魅力が凝縮されているように感じる。

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