米ロサンゼルス大都市圏における映画・テレビ番組の延べ撮影日数は、今年1-3月(第1四半期)に前年同期比で22%減少した。コンテンツ制作の世界的な低迷に加え、制作拠点がカリフォルニア州以外にシフトしつつある状況を反映している。

  映画などの撮影許可手続きを行うフィルムLAが14日発表した資料によれば、業界最大の比率を占めるテレビ番組の撮影日数は31%減、長編映画は29%減った。

  こうした撮影日数の減少は、最近のハリウッドの存在感低下を如実に示している。ロサンゼルス地域でのテレビ番組の年間撮影日数は、ピークだった2021年の1万8560日から半分以下に落ち込んだという。

  「テレビ番組制作はロサンゼルスの映画・テレビ業界で最大かつ最も深刻な打撃を受けた分野で、撮影日数の減少は雇用に広範な影響を及ぼす」とフィルムLAは指摘した。

Photo TV Studio crew with camera rf

全ての主要カテゴリーで撮影日数が減少したとフィルムLAは指摘

Photographer: dpmike/E+

  フィルムLAによると、ロサンゼルスの一部地域を年初に襲った山火事の影響は一時的にとどまった。被災地域が過去4年間の全撮影日数に占める比率はわずか1.3%に過ぎないものの、山火事でスタッフが避難し、一部の撮影は日程変更を余儀なくされたという。

  ロサンゼルスの映画・テレビ業界はここ数年にわたり、新型コロナウイルス禍や労働争議に関連した撮影中止のほか、制作会社の戦略変更などで何度も打撃を受けている。

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原題:LA Filming Tumbles 22% Amid Global Slump, Losses to Other Areas(抜粋)

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