自己紹介

ドロップレット・プロジェクトは、2007年の活動開始以来、障害のある方のコミュニケーションを支援するためのツールやサービスを多数開発してきました。その代表は「Drops」(ドロップス)です。Dropsは、話し言葉によるコミュニケーションが困難な方のためのシンボルライブラリで、現在2,555語あります。教育、福祉、医療の現場で広く活用され、Dropsを収録した書籍は、累計4万部を超えるベストセラーとなっています。
また「DropTap」「DropKit」といったアプリも開発しており、iPad用アプリストアでは常に上位にランキングされ、定番アプリの地位を確立しています。特に「DropTap」はGIGAスクール端末には無償提供を実施しており、導入数はすでに100万を突破しています。

 

プロジェクトを立ち上げたきっかけ

コミュニケーションや学習用のアプリをリリースしてきた私たちが、どうしても成し遂げたいもの。
それは生活を豊かにする、余暇を楽しむためのアプリの普及です。
特に、障害のある子もない子も楽しめる「楽器」を作りたい、というのが長い間の私たちの願いでした。
その夢を現実にするために、企画したのが新しいアプリ「DropTone」(ドロップトーン)です。

肢体不自由の子にとっては、学校でよく使われる鍵盤ハーモニカやリコーダーなどの演奏が難しいことは、想像に難くないでしょう。
知的障害のある子の中には、鍵盤と音階の結びつきの理解が難しいため、メロディーを奏でる楽しさを味わえない子がたくさんいます。
発達障害のお子さんにの中には、手指を思ったように上手く使えない子がいます。そのため合奏を楽しむことが難しかったりします。
このような障害に起因する特性から “演奏できない” という経験が増えてしまいがちです。
みんな、音楽は大好きなのに、です。

プロジェクトの内容

演奏の成功体験は、自己肯定感を育む重要な要素です。
DropToneは、こうした問題を解決するために作られた、誰でも簡単に演奏を楽しめるインクルーシブな楽器です。
以下に開発中の画面と、その特徴をご紹介します。

DropToneの特徴その1
日本を代表する楽器メーカーであるKORG社から正式ライセンスを得たプロ用の音色を内蔵しています。
KORG社のご理解とご協力により、おもちゃではない、本物の楽器の息吹を子どもたちに届けることが可能となりました。

【KORG社から提供いただいた15種類の楽器音を内蔵しています。どれもリアルな使える音ばかりです】
※KORG社様からは、本プロジェクトを行うことと、名称掲載をさせていただく許諾をいただいております。

DropToneの特徴その2
DropToneはiPadの画面上に、音を出すパーツを自由に配置できます。
その子の指がうまく届く範囲に好きなようにパーツを配置できるので、指1本でも演奏が楽しめます。
1本指だけでドラム演奏、3本の指だけ使ってもギターのリフ演奏、指を画面上で滑らせるだけでメロディー演奏など、その子にあったさまざまな演奏方法を準備できます。

例:シンプルな鍵盤

例:ドラムセット

例:ハッピーバースデイ

例:簡単コード伴奏

DropToneの特徴その3
外部スイッチを用いた演奏が簡単にできます。
肢体不自由のある子は、日頃使い慣れたスイッチがあるかもしれません。
DropToneは外部スイッチを用いた演奏が簡単にできるように設計されています。
複数のスイッチを組み合わせて使うこともできますし、一つのスイッチでコードやメロディーを鳴らすこともできます。
画面のタッチと外部スイッチを同時に使って演奏することもできますので、1台のiPadで、複数の子が自分にあった方法で合奏することもできるのです。
今回、DropToneの性能を最大限に活用するために独自のスイッチインターフェイス(後述)も開発しました。

【基本機能の紹介ビデオ】

アプリをテストしてくださったみなさんの感想

すでにベータ版を全国の学校の先生や児童生徒のみなさんに試していただき、大変好評を得ています。
岐阜県のK校で試してくれた、織田さんと木塚先生の感想を紹介します。
織田さん
「音楽の授業で先輩やクラスメイトと一緒に電子ピアノで「春よこい」を演奏することなったのですが、左右の指を一本ずつ使い和音を押すのが思うようにいかず苦労していました。そんな時ドロップトーンと出会い、私の体でできる音楽の可能性が広がりました。何故なら弾きたい和音が順番に並んでいて、リズムに合わせてそれをタップするだけで鳴らせることができるので画期的で操作も簡単なので分かりやすいと感じました。そして、指一本しか使ってないのに、三つ音が聞こえてきた時『私みんなと演奏ができているんだ!!』と思い、心からわくわくして夢中になれました。このアプリはとても楽しかったのでまた使ってみたいです。」
※使用している画像については、ご本人と保護者様より掲載許諾をいただいております

木塚先生
「音楽の時間に合奏にチャレンジしています。最初はキーボードを指で押さえていましたが、押し間違えないよう身体に力が入ってしまいました。力が入ると、周りの音を聞いて合わせることが難しく、なかなかうまくいきませんでした。そこで、今回DropToneで和音のボタンを3つ作ってみました。本人も「これならできる。楽しい」と言って積極的に演奏することができました。音を出す操作に余裕ができた結果、周りの音に合わせて鳴らせるようになりました。なにより演奏している時の笑顔がステキです。和音のボード作成はあっという間にできたというのに、子どもたちにとって必要な音だけを設定することができました。しかも音が良いのが素晴らしいアプリですね。このアプリが広まれば、生き生きと音楽の活動ができると思います。今からワクワクしています。」

新開発のスイッチインターフェイス「ハーモニー8」

今回、このアプリを最大限に活用していただくために、
まったく新しいスイッチインターフェイスを開発しました。
それが
「ハーモニー8(エイト)」
(HARMONY8 : Handy, Accessible, Responsive, Multi-device Operation for Navigation and Yield with 8-input Support)です。
DropToneと組み合わせて使うことで、互いのポテンシャルを最大限に引き出せるように設計されており、
・USB-Cの有線接続による安定した動作
・本体にビルトインされた8つの物理キー(直接演奏に用いることも可能。また、外部スイッチとアプリとの連携確認が簡単)
・各物理キーに対応した外部入力ジャック(自分にあったスイッチを接続可能)
・8つの入力信号が設定済み(変更不可)による、セッティングの簡便さ
などの特徴があります。
すでに量産準備は整っているので、クラファン完了と同時にみなさんに発送いたします。

HARMONY8の詳しい仕様についてはこちらのリンクをご覧ください

 

プロジェクトの展望・ビジョン

目標額が達成された際には、以下のように使わせていただきます。

1、アプリの開発費
ベータ版をベースに、アプリを完成させます。
アプリのプログラミングには、これまでDropTapの開発等で、ドロップレット・プロジェクトとタッグを組んでくれてきた
「あっきーの教材工房」さんにお願いしています。

2、ハーモニー8の量産
ハーモニー8を早期入手できるリターンを設けました。
そのための量産費用として活用します。

3、解説ウェブサイトの開設
 操作方法や活用方法の動画を作成し、誰でも閲覧できるようにします。

もし目標額達成後、ネクストゴールを目指すことができた場合は
・新たな機能追加や、音源追加のための予算の確保
・体験イベントの開催や、ハンズオン用iPadの購入
・さらに音楽を楽しめるような新たなシステム開発の費用
などの使途を考えています。
クラウドファンディングの期間を通して、支援者のみなさんと交流しながら、DropToneを世に送り出す準備を進めて参ります。

私たちは、障害のある方たちのコミュニケーションを支援するために2007年から活動を開始し、2018年にNPO法人となりました。
障害のある方のコミュニケーションを助けるためのシンボルライブラリ「ドロップス」の開発と普及が主要な活動です。
ドロップスは2555語の語彙数があり、コミュニケーション支援のために開発されたシンボルとしては最大級のものです。基本語彙のほとんどは無償で公開されており、日本全国の教育現場で活用されています。ドロップスを収録した書籍「視覚シンボルで楽々コミュニケーション」シリーズ3冊は累計4万5千部を越えています。また、視覚支援・教材としての活用をまとめた書籍「絵で見てわかる! 視覚支援のカード・教材100」(1万3000部発行)も好評です。
国産初のiOS向けAAC(補助代替コミュニケーション)アプリとして著名な「DropTalk」は元々、ドロップレット・プロジェクトが発案・企画・開発したアプリです(現在は旧来の形での販売は終了)。 
ドロップレット・プロジェクトウェブサイト


DropToneのプログラミングを担当してくれるのは、特別支援教育に関するアプリ開発で高い評価を得ている
「あっきーの教材工房」こと、鈴木章裕さんです。
前述のように、ドロップレット・プロジェクトとはDropTap、DropTap Proの開発でもタッグを組んでくださいました。
DropTapが100万インストールを突破したのは、鈴木さんの高い技術力と、教育現場のニーズを正しく見抜く力があってのことなのは、言うまでもないでしょう。

〜ご注意〜
※DropToneのアプリ自体を、支援へのリターンにできれば良いのですが、残念ながらAppleのアプリ販売方法の制約でそれができません。そのため支援者のみなさんであっても、完成したDropToneをお使いいただく場合には、アプリを別途App Storeでご購入いただく必要があります。あらかじめご了承ください。
 ※画面写真は開発中のものです。アプリの外観や仕様は予告なく変更になる場合があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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