【物語文】自分を重ね合わせる読み方も

 2025年度の中学入試で、国語ではどのような本が取り上げられたのかを、大手中学受験指導塾の教室長をつとめる伊勢本晃さんが、2週にわたって紹介します。今回は「物語」の本を取り上げます。受験する、しないにかかわらず、本に親しむ参考にしてみてください。(編集委員・清田哲)

伊勢本先生は毎年200校ほどの国語の問題に目を通し、どのような作品や作家の本が出題されているか分析を続けています。

近年の出題傾向として、主人公が小学生から高校生と、受験生に近い年代の物語が多いことを指摘します。「子どもの目線に合わせた出題が目立っている」といいます。

クラスメートにさそわれて、新しく俳句作りにチャレンジしていくなかで、生きづらさの問題を乗りこえていく――といった作品もあります。「自分もよく似た経験がなかったのかなど、自身をふり返って重ね合わせてみるのも、読み方のひとつでしょう」

来年の受験生は、今から書店へ

出題された本の傾向をみてみると、前の年の2~5月ぐらいに発売された本からの出題が多いようです。

「ぜひ、今の時期に書店に足を運んで、お気に入りの作家さんや、気になる表紙の本を探すなどして、実際に本にふれてみてほしい」とアドバイスします。

『あの空の色がほしい』
(蟹江杏・著/河出書房新社)

大妻中、国学院大久我山中、三輪田学園中(どれも東京)、慶応義塾湘南藤沢中(神奈川)など

絵をかくのが大好きな小学4年生のマコと、家族に見捨てられた変わった芸術家とのお話。

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『透明なルール』
(佐藤いつ子・著/KADOKAWA)

栄東中(埼玉)、吉祥女子中、昭和女子大附属昭和中、早稲田実業中(どれも東京)など

見えない「同調圧力」について、登場人物たちがなやみ、乗りこえていくようすをえがきます。

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『アルプス席の母』
(早見和真・著/小学館)

佼成学園中、立教池袋中、山脇学園中(どれも東京)、ラ・サール中(鹿児島)など

甲子園を目指して遠く離れた高校に入ることになった球児。母親も部活動に深く関わってきます。

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『ぼくの色、見つけた!』
(志津栄子・著/講談社)

跡見学園中、暁星中(どちらも東京)、鎌倉女学院中、横浜雙葉中(どちらも神奈川)など

色の見分けがつきにくい障がいが明らかになり苦しむ小学生、信太朗がどのように克服していくかをえがいています。

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『春、出逢い』
(宮田愛萌・著/講談社)

立教新座中(埼玉)、筑波大附属中(東京)など

存続が危ぶまれる文芸部の高校生たちが、短歌甲子園出場を目指して活動します。オリジナルの短歌も楽しめます。

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『八秒で跳べ』
(坪田侑也・著/文芸春秋)

開智中、栄東中(どちらも埼玉)、共立女子中(東京)、聖光学院中(神奈川)など

高校のバレーボール部を舞台に、挫折や成長、恋愛などをえがきます。著者は現役の大学の医学部生です。

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『リカバリー・カバヒコ』
(青山美智子・著/光文社)

栄東中(埼玉)、東洋大京北中(東京)、佐久長聖中(長野)など

公園にある古びたカバの遊具「カバヒコ」には、さまざななやみをかかえた人たちがやってきます。

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『17シーズン 巡るふたりの五七五』
(百舌涼一・著/講談社)

晃華学園中、頌栄女子学院中(どちらも東京)、専修大松戸中(千葉)など

なやみや生きづらさをかかえた中学生が「五・七・五」の17音の俳句をとおして、新しい未来を切り開いていきます。

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(朝日小学生新聞2025年3月14日付)

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