日本文学界の巨人・筒井康隆の同名小説を『桐島、部活やめるってよ』『騙し絵の牙』の吉田大八監督が映画化! 俳優歴50年を迎える長塚京三が12年ぶりに映画主演を務める『敵』が2025年1月17日(金)より全国公開となる。本動画は、その予告編。
原作は、『時をかける少女』『パプリカ』などの大人気SFから、『文学部唯野教授』のようなメタフィクションまで数々の作品を生み出してきた筒井康隆。過去には文壇からのバッシングを受け、断筆していた期間もあったが、執筆再開後の1998年に『敵』は書かれた。紆余曲折の人生を生きてきたからこそ辿り着いた現代老人文学の最高峰ともいえる本作では、妻に先立たれ、残された預金を計算し、人間関係を清算し、捨てきれない欲望と向き合いつつも、いつか来る終わりに向けて、慎ましやかに夢と現実の間を生きる元大学教授の清らかな暮らしが描かれるが、その先には筒井流の一筋縄では行かない「仕掛け」が待っている。
主人公の渡辺儀助(77歳)を演じるのは、『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』(97年)で第21回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞し、今年俳優歴50年を迎える名優・長塚京三。健康でいること、散財しないこと、丁寧に暮らすこと、欲望を飼いならすこと、老いること、全てに気を配り、日常を管理し節制した平穏な日々を送る元大学教授役で、妻に先立たれ、講演や執筆といった臨時の収入も減っていくなか社会から必要とされなくなったことを実感し、あと何年で預金が底をつくかの計算に余念がない。しかし、その一方で自身のプライドは保ちつつ、誰かを傷つけることもなく、限られた僅かな交友関係の中で、充足感に満たされてもいる。老い先が短いことを自覚する儀助にとって、新たに挑戦することが少なくなり、退屈を手なづけ、これまでの人生を振り返ることが多くなる。そして、次第にその光景は現実なのか、夢なのか、儀助だけではなく、観ている我々ですら分からなくなっていく。やがてその描写は恍惚の世界へとダイブするような没入感を与えてくれるのだ。
極めて緻密でプライベートな描写によって、我々はいつの間にか儀助の亡き妻・信子(黒沢あすか)を家族のように感じ、教え子の鷹司靖子(瀧内公美)、バーで出会った菅井歩美(河合優実)に恋をしてしまう。そんな平穏な暮らしのなかで「敵」はある日突然現れる。そして、じわりと近づいてくる。
自由に生きることへの羨望と、老いることへの絶望の狭間で、人生の最期に向かって静かに、そして清らかに暮らし、そのまま静かに終わっていくひとりの男……人間はそんな生き方を望んでいるのだろうか。本当は「敵」の襲来を望んではいないか。全ての人に等しく訪れるであろう「敵」を見事なまでに映し出した、人生最期をどう締めくくるかを問う、心揺さぶる人間ドラマが誕生した。
映画『敵』は2025年1月17日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国公開
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA
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