ルヴァン美術館ギャラリーレクチャー 2024年8月31日
講師 辻原登 (作家 ルヴァン美術館理事長)
講演 『陥穽 陸奥宗光の青春』余話
会場 ルヴァン美術館 第3展示室
『陥穽 陸奥宗光の青春』(2023年3月から2024年1月まで日経新聞にて連載)
陸奥宗光は明治中期、第二次伊藤内閣のもと外務大臣をつとめ、欧米列強との不平等条約改正に取り組み、「日本外交の父」と称された人物。小説は陸奥の青春時代を描いています。幕末期、陸奥は洋学を志し勝海舟の「海軍塾」で学び、坂本龍馬の「海援隊」の一員となります。龍馬と同じように世界目線で日本を捉え進むべき道を考えていた陸奥は、維新後の藩閥政権に不満を募らせ、明治10(1877)年、西南戦争勃発の混乱に乗じて画策された明治政府転覆計画に加担、身の破滅に向かって歩み始めます。
このギャラリーレクチャーでは、歴史小説を書くことについて辻原先生が語っています。歴史による「事実」だけでは小説とはならず。
辻原登 プロフィール
1945年 和歌山県に生まれる
1967年 文化学院文科卒業
1990年 『村の名前』で第103回芥川賞を受賞
2010年 『許されざる者』で第51回毎日芸術賞を受賞
2012年 紫綬褒章
2015年 芸術院賞・恩賜賞
2022年 文化功労者
日本芸術院会員。ルヴァン美術館理事長。
<主な作品>
『翔べ麒麟』(読売文学賞) 『遊動亭円木』(谷崎潤一郎賞) 『枯葉の中の青い炎』(川端康成文学賞) 『花はさくら木』(大佛次郎賞)『闇の奥』(芸術選奨) 『韃靼の馬』(司馬遼太郎賞) 『冬の旅』(伊藤整文学賞)『東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ』『寂しい丘で狩りをする』 『籠の鸚鵡』 『不意撃ち』 『隠し女小春』など。
2023年3月から2024年1月まで日本経済新聞にて小説『陥穽 陸奥宗光の青春』を連載。