自分自身を商品として/なのはな社会保険労務士事務所 代表 原田 祥子
私は、自分自身が商品だと思って仕事をしている。
初めて社会保険労務士事務所で勤務を始めた時、「仕事とはこんなに楽しいものなのか」と感動したことを今でも鮮明に覚えている。知識が増えるたびに視野が広がる感覚や、お客様からの相談に答えて「ありがとう」と言っていただける瞬間のやりがいは、何ものにも代えがたいものだ。その喜びが、今の私の原動力になっている。
独立して5年目を迎えた現在、以前の職場での経験を活かし、介護・障害福祉分野における処遇改善加算の申請支援や運用のサポートを主な業務として、多くの企業にかかわる機会をいただいている。
社労士として介護分野を専門としながら、夫が行政書士であるという環境から、行政書士事務所の補助者登録もしている。そのつながりから障害福祉の分野に携われることも自分の強みだと考えている。2つの専門領域をまたいで企業を支援できることは、他にはなかなかない付加価値だと自負している。
処遇改善加算は、職場環境の改善に取り組んだ事業者がその対価として加算を受け取り、受け取った加算を主に従業員の処遇改善のために充てるという仕組みだ。申請の手続きこそそれほど複雑ではないが、「従業員の処遇を改善する」という本来の目的の実現には、単に賃金を上げるだけでなく、公平で納得感のある賃金制度を設計することが不可欠となる。社労士の専門性が問われる場面だ。
加えて、処遇改善加算は毎年のように制度改正が行われており、内容を正確に理解するだけでも事業者にとっては大きな負担だ。改正内容を丁寧に読み込み、事業者側に分かりやすく伝え、実際の運用が適切に回るよう継続的にサポートしている。制度を理解し活用することと、現場で無理なく運用できることは別の話であり、その橋渡し役を担うことが私の仕事だと考えている。
弊所は、「経営者も従業員も幸せな職場作りのサポートをすること」という経営理念を掲げている。日々の業務では経営者と話をする機会が圧倒的に多いが、だからこそ、従業員の立場や気持ちを常に意識するよう心掛けている。
何が求められているかは企業ごとに異なる。経営者の思いを受け止めながら、同時に従業員が意欲を持って働ける環境を整えるためにはどうすべきかを考え、その両方に寄り添う形で賃金設計や制度構築を進めていく。
自分自身が商品である以上、信頼され続けることがすべてだ。これからも企業と従業員、双方にとって本当に意味のあるサポートを追求していきたい。
なのはな社会保険労務士事務所 代表 原田 祥子【大阪】

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