世界最大の新作時計見本市「WATCHES & WONDERS GENEVE」は、スイス・ジュネーブで2026年4月14日〜20日に開催された。ここで発表された新作から、注目すべき腕時計を取り上げていく。本稿では、リシュモン グループを代表するカルティエの新作をWATCHNAVIの視点でチェックする。
今季のテーマに「WATCHMAKER OF SHAPES, MASTER OF CRAFTS」を掲げたカルティエの新作のうち、最大のトピックスと編集部が目するのが、2002年より展開していたトノーシェイプのコレクション「ロードスター」の復活だ。
航空機の機体にインスピレーションを得た独創フォルムに大幅な変更を加えないのは、自ら編み出した形状を肯定し続けるカルティエの流儀。オリジナルモデルで人気のあった拡大レンズ付きのデイト表示も踏襲された。新型ではケースからベゼル、レンズへとシームレスに伸びる3次元曲面が、カレンダー小窓のメタルフレームやリューズのメタルカボションとの視覚効果と相まってテクニカルな雰囲気を醸し出す。中央の盤面にはメゾンのシグネチャーであるレイルウェイパターンを再構築したスケールを配置。同心円のギヨシェが背面に施されたローマ数字インデックスは伝統の書体でありながら、蓄光素材スーパールミノバ®によるカラーを加えることでシャープなサンセリフ体のフォントのようにも視認できる、ユニークなフェイスを作り上げた。
かつてのコレクションでは女性の着用を見据えたミニモデルものちに展開されたが、新生「ロードスター」はミディアムとラージの2サイズでの発表。搭載するのはマニュファクチュールキャリバー1847 MC(ラージ)と1899 MC(ミディアム)で、素材はステンレススティールと18Kイエローゴールド、そのコンビの3つの組み合わせが揃う。2002年のオリジナルモデルが採用して時計界に衝撃を与えたブレスのインターチェンジャブル機能は、メゾン最新の「クィックスイッチ」システムへと進化を果たした。
このタイミングでの「ロードスター」復活は、そのままカルティエのメンズウオッチが好調を続けていることの裏付けと言えるだろう。事実、カルティエのメンズウオッチはアンティーク市場でも流通量が激減中。この時計の登場を待っていた人は、かなり多いのではないだろうか。

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