起きてすぐではなく、普段の起床時刻から1時間ほどたってからコーヒーを飲むようにすると、下がり始めたコルチゾール値を再び引き上げ、気力や不安感の乱高下を抑えて朝の時間をより生産的なものにできるかもしれない。
まずはシャワーを浴びて、身だしなみを整えよう。コーヒーを飲むのはその後だ。
適切な時間はその人の概日リズム次第
ただし、これらは自然に目が覚める時間に起きている人に向けたアドバイスだ。最適なタイミングでコーヒーを飲むために、コーヒーマシンを朝9時にセットしておこう、という単純な話ではない。生まれつき早く起きられる人もいれば、早起きが苦手な人もいる。自分の体が本当は何時に“起きたがっている”のか、しっかり見極める必要がある。
「遅く起きる人は、体が自然に目覚める時間も少し遅くなる、ということです」とアッカーマンは言う。逆に、自然に早起きができる人は、午前8時よりもずっと前にコルチゾール値がピークに達しているかもしれない。自分の自然なサーカディアン(概日)リズムを把握するために、フィットネスウォッチやスマートリングを使ってストレス度を記録してみるのもひとつの方法だ。
わたしの担当編集者であるキャット・メルクは生まれながらの早起きだ。彼女が愛用するフィットネストラッカー「Oura Ring 4」のデータもそのことを裏付けている。毎朝6時を過ぎると彼女の心拍数やその他のストレス指標は上昇し始める。それは週末に朝寝坊する場合も変わらず、遅くとも7時ころには同じ状態になるという。
Oura app via Kat Merck
つまり理論上、コルチゾール値の上昇による不安感を避けたいなら、メルクにとって朝の6時半はコーヒーを飲むのに最も適さない時間ということになる。ところが、彼女はまさにその時間にコーヒーを飲んでいるという。
一方、自分の自然なサーカディアンリズムよりも早く目が覚めた日に、起きてすぐコーヒーを飲むことは賢い行為と言えそうだ。「生まれつき早起きが苦手な人が、仕事か何かで早く起きなければならないとき、カフェインを利用することは理にかなっています」とアッカーマンは言う。「この場合は、早ければ早い方がいいでしょう」
早起きが苦手な人が仕事で6時に起きなければならないとしたら、コーヒーの覚醒効果を利用することで、体が自然な覚醒のピークに達するまでの時間を乗り切れるかもしれない。カフェインが最適なコルチゾール値を長く保ち、日中の活動への橋渡し役を務めてくれるだろう。
空腹時の1杯は避ける
「カフェインクラッシュ(カフェイン切れ)」と勘違いされがちな現象の多くが、実は血糖値の急降下、すなわち「シュガークラッシュ」だ。空腹の状態でコーヒーを飲むと、酸性の食品に敏感な体質の人は消化不良を起こす恐れがある。さらには、朝から昼にかけて気力、体力の安定を乱されることにもなりかねない。
コーヒーを飲むと元気になるのは、カフェインが肝臓に信号を送り、夜の間に蓄えられたブドウ糖を放出させることが一因だ。しかし、豊かなエネルギー源となるはずのこの糖分は、朝起きるころには不足していることが多い。
「前の晩によほど大量に食べていない限り、蓄えられた糖分はひと晩でほぼ使い果たされてしまいます。糖尿病の人は別として、朝は1日のうちで最も血糖値が低くなりやすい時間帯です」とアッカーマンは言う。コルチゾール値の急上昇により覚醒のピークに達したタイミングで、体はわずかに残ったブドウ糖を放出し、活力を高めようとする。コーヒーもほぼ同じ現象を引き起こす。アドレナリンが上昇し、さらに多くのブドウ糖が肝臓から放出されるのだ。


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