2026年4月9日
新年度がスタート、若者の“こころの健康”処方箋
公明ドクターズ、党学生局長 川村雄大 参院議員に聞く
弱音を吐ける場所、一つでもつくる
新年度がスタートし、進学・進級や就職・異動などさまざまな環境の変化から、メンタルを崩す若者も少なくありません。そこで、医師免許を持つ公明党議員「公明ドクターズ」の一員である、川村雄大学生局長(参院議員)に、若者のメンタルヘルス(こころの健康)を守る方法などについてインタビューしました。
参院議員1期目(東京選挙区)。北海道帯広市出身。東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒業後、消化器外科医として診療に従事。
――若者がメンタル不調に陥る背景をどう見ていますか。
川村雄大学生局長 新年度は、「新たな希望を持ってスタートする時期」である一方で、実は大きな困難を伴う時期でもあります。特に、「学業のプレッシャー」と「対人関係のストレス」に加えて、クラス替えなどの環境変化に適応できず、不登校になる児童生徒もいます。29万人の思春期の子どもを対象にした韓国の研究では、最も多いストレスは「学業・キャリア」だったのですが、抑うつ症状や自殺リスクの悪化に最も寄与したのは「対人関係のストレス」と「家庭環境」だったようです。
――現役世代、とりわけ若い世代ほど心が疲れやすくなっている原因は何でしょうか。
川村 さまざまな要因があると思います。少し前までは、組織への帰属や努力の積み重ねが報われるという価値観が、比較的広く共有されていました。しかし、1990年代後半以降、日本では賃金の伸び悩みが続き、とりわけ実質賃金は長く低迷してしまい、そうした中で、若い世代の一部では将来への展望を描きにくくなっていることもあるのではないかと感じています。スマートフォンやSNSも、不可欠な要素になっていますが、「常時接続」による疲れも指摘されています。学校や職場以外の「居場所」、人間関係を見つけることは、一つの「逃げ道」であり、救いにもなっています。行き詰まったら、視野を広げてみるのも有効です。
■サインに気付き「頼る力」付ける
――川村さんは、医師免許を持つ「公明ドクターズ」の一員でもありますね。
川村 専門は、消化器がん(特に食道がん)の外科治療ですが、がん患者の精神的ケアや、入院ストレスによる「せん妄」など、身体疾患と精神状態が切り離せない場面を多く経験してきました。医療現場の中には、身体科医療と精神科医療をつなぎ、患者が病気に向き合うために活動する「リエゾン」というチームがあるほどです。
――メンタル不調に気付くためのサインは。
川村 厚生労働省の「若者を支えるメンタルヘルスサイト」にありますが、サインには「こころ」と「体」の両面があります。早めにストレスに気付いて、適切に休むことが、心と体の健康には大切です。
――メンタルを維持するための「ヒケツ」はありますか。
川村 実体験として「本音で話せる相手を持つ」「困ったら頼る」ことが最大のコツだと思います。「強くあるべき」「元気であるべき」という理想に縛られず、弱音を吐ける場所を一つでもつくることが大切です。周囲の人は、相手の訴えを否定せずに「まずは受け止める」というコミュニケーションを意識してほしいですね。
――仕事や学業の影響から、専門医への受診をためらうケースもあります。
川村 「精神科や心療内科は敷居が高い」と感じる必要は全くありません。うつ病や適応障害は、誰にでも起こり得るものです。私自身もなり得ます。人間の心は繊細で不可思議なものです。「自分を守るため」に早めに専門家や行政に相談することは、当然の権利だと考えてください。
■KOKOROBO(メンタルヘルスのチェックサイト)開設を推進
国立精神・神経医療研究センターを訪れ、デジタル技術を活用した認知行動療法について説明を受ける川村氏(奥右)ら=25年9月
――公明党の取り組みについて教えてください。
川村 党青年委員会は2021年、政策アンケート「VOICE ACTION(ボイス・アクション)」の結果を基に、政府に青年政策を申し入れ、若者のメンタルヘルス対策を要望。その結果、メンタルヘルスをセルフチェックできるサイト「KOKOROBO」や、悩む人を支援する「心のサポーター(ここサポ)」の養成が進みました。私自身も、昨年初当選してから、党うつ対策プロジェクトチームなどと連携し、現地視察などを重ねています。
――今後の決意をお願いします。
川村 先月、党学生局長の大任を拝しました。従来のユーストークミーティングや学生との懇談会「Qカレ」に加え、SNSの双方向の対話などに力を入れ、学生らに政治を身近に感じてもらう取り組みを積極的に提案していきます。皆さんの声を聞き、共にこれからの希望をつくっていく決意です。
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