日本株市場は、中東情勢の不透明感からボラティリティー(変動率)の高い相場展開が続いていますが、2026年3月前半にいったん低迷したバリュー(割安)ファクターは、3月後半以降に上昇し、2025年来高値に接近する水準となっています。
2025年後半には、バリュー系ファクターの中でも、予想EPR(株式益回り)のプラス寄与がより大きくなっていました。一方、2026年初以降は、BPR(純資産株価倍率)の優位性が目立つようになっています。背景には、日本銀行による今後の利上げ期待の高まりがあると考えられます。次回の利上げ時期が近いとみられるうえ、その後も利上げ基調が続くとの見方が強まっています。加えて、AIによる代替懸念が指摘される業種では、BPRが割高な銘柄を中心にパフォーマンスが再び軟調となっていることも、こうした傾向に影響しているとみられます。
(注)TOPIX500ユニバース。2025年以降。
(出所)QUICK、ブルームバーグ、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成
BPRと株価モメンタム(勢い)で2段階にソートしたポートフォリオの超過リターンの推移を見ると、2026年3月後半以降に相対的にパフォーマンスが良好なのは、バリューかつ高株価モメンタムの銘柄です。一方、グロース(成長)銘柄は、低株価モメンタム側、高株価モメンタム側ともにやや軟調な展開となっています。
(注)TOPIX500ユニバース。BPRに基づいて3分位に分けた時の最割安分位と最割高分位について、それぞれ過去12ヵ月株価モメンタムに基づいて3分位に分けた時の高株価モメンタム側の超過リターン。2025年以降。
(出所)QUICK、ブルームバーグ、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成
引き続き株価変動が大きいのはグロース株で、投資家の様子見姿勢も相まって、2026年3月下旬ごろまでは短期的なポジション修正が相場を主導した可能性が高いとみています。今後は、アナリストの業績予想の方向感を示す「リビジョン・インデックス(以下、RI)」の低下が想定されるため、低ベータ(感応度)銘柄に加え、高リビジョン銘柄など、業績拡大が期待できる銘柄の選別が有効になると考えています。
同時に、2026年4月の日銀の利上げ期待が高まっているため、相場変動がやや大きくなる可能性もあります。ただ、現時点では2026年7月までに1回、年末までにさらに1回程度の利上げが期待されていることから、中長期的にバリュー優位の展開は変わらないとみています。米国株では、プライベートクレジット市場の動向が話題になることが多いですが、金融株の構成比が大きい米国のバリューファクターも、年初来ではプラスを維持しています。
(注)米国株はMSCI North Americaユニバース、日本株はTOPIX500ユニバース。
(出所)QUICK、ブルームバーグより野村證券市場戦略リサーチ部作成
仮にプライベートクレジット市場に変調が生じた場合、日本のバリューファクターも一時的に米国市場の影響を受ける場面はあるでしょう。しかし、日銀要因は強固であり、利上げ基調が継続するとの見通しが変わらない限り、ロング(買い)は有効と考えています。以下に、バリューかつ高株価モメンタムの銘柄を示します。
(注)TOPIX500。BPR割安度上位30%かつ過去12ヶ月株価モメンタム上位30%銘柄。4月6日時点。
(出所)QUICK、Bloomberg、IFISより野村證券市場戦略リサーチ部作成
(編集:野村證券投資情報部)
編集元アナリストレポート
日本株クオンツメモ – バリューは昨年来高値水準に接近(2026年4月7日配信)
(注)各種データや見通しは、編集元アナリストレポートの配信日時点に基づいています。画像はイメージ。
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