「現実から目を背けた人はいつまで経っても結婚なんてできません」

そう話すのは、テレビや配信番組に引っ張りだこの婚活アドバイザー、植草美幸さんです。彼女が直接受け持つ結婚相談所の会員の成婚率は、なんと脅威の8割超え(※2026年3月時点)。フジテレビ『ザ・ノンフィクション』で、婚活に戸惑う大人たちに愛のあるアドバイスを送る姿を目にした人も多いことでしょう。

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そこに映し出されていたのは、減少を続ける婚姻件数とは裏腹に、結婚を人生の大きな目標と考えている人々の切実な現実です。今回は植草さんに、熟年婚活の知られざる実態を語ってもらいました。

そもそも、熟年の婚活層は増えているのでしょうか。

「実際のところ、急激に増えているという印象はありません。今も昔も一定数は、熟年層でも結婚を望んでいます。大きな違いを挙げるなら、女性が働くのが当たり前になったことでしょうか。

言い換えるなら、男性も家事をするのが当たり前の時代になったということです。20代から30代の若い世代はそこをきちんと理解している人が多いのですが、40代以上になると途端に意識が追いつかない人が増えます」

家事を一度も経験したことがないという男性も、珍しくないといいます。

「口では、仕事は続けていいよ、と言いながら、面談で詳しく聞いてみると家事はまるでやったことがないと話す40代以上の男性は想像以上に多いです。家事は女性の仕事という古い慣習を捨てきれないまま、婚活市場に出てきてしまう。それでは、うまくいくはずがありませんよね」

そうした男性には、ある共通した特徴があるそうです。

「女性側からの苦情として多いのが『上司みたい』という言葉です。上から目線で女性にアドバイスをしてしまう。例えば、女性が仕事の愚痴をこぼすと『それは君が悪いんじゃなくて会社の体制がおかしいよ』と、求められてもいないことを言ってしまうのです。

女性は、自分の会社を否定されたようにも感じ、気を悪くしてしまう場合があります。男性側は助けてあげているつもりでしょうが、女性が求めているのは答えではなく共感です。耳の痛い人もいるのではないでしょうか」

こうした男性に足りないものは何なのでしょうか。

「自覚ですね。45歳を過ぎていても、ご本人にはおじさんという自覚がありません。合コンのような軽い感覚でお見合いに来てしまう。それで20代や30代の女性を希望するとどうなるか。

彼女たちが普段接しているのは同世代の男性ですから、10歳以上年上の人に会って上からものを言われたら、お父さんにしか見えない、となってしまうのは当然です。雑談力や相手に合わせる柔軟さがない40代以上の男性の婚活は、本当に厳しいものです」

しかし、この厳しさは男性だけに限った話ではないと植草さんは続けます。

「女性側も同じです。そもそも最も多くの女性が結婚しているのは26歳。つまり婚活は、20代が主役。その現実を見て見ぬ振りをして、婚活市場にやってきて男性を品定めしようものなら……婚期が遠のくのは想像に難くないですよね」

40代になっても婚活をこじらせてしまう人には、ある共通した背景があるといいます。

「男女ともに、自分を俯瞰して見られるか、年相応の思考力があるかというのは、熟年の婚活において外せない要素です。一方で、今の40代はとても難しい世代でもあります」

彼らが育ってきた団塊ジュニアならではのバックグラウンドも、婚活に大きく影響しているといいます。

「今の40代以上の多くは、専業主婦の家庭で育てられた方が多い。だから男性側は、家事育児は女性の仕事、女性側は、結婚したら男性に養ってもらうのが当たり前、という感覚がどうしても拭えません。この、今の時代とは合わない価値観が、婚活の足を引っ張るのです」

厳しい言葉ですが、確かに思い当たる節がある人も多いはずです。

「例えば、口では生涯バリバリ働きたいと言いながら、誰かに養ってもらいたいという気持ちを捨てきれない女性は非常に多い。ちなみにこうした女性は、実家住まいで親に身の回りの世話をしてもらっている、いわゆる『子供部屋おばさん』であるケースも少なくありません。男性側も同様。そんな人との結婚生活を想像できるかといえば、難しいですよね」

なぜ、婚活迷子たちはこれほどまでに現実から目を背けてしまうのでしょうか。

「これは情報過多の時代特有の傾向かもしれません。動画配信サイトなどで何でも無料で情報が手に入るからこそ、見たいものしか見ない。自分の意見と違うものはスルーしてしまう。たとえば先日も、45歳の女性が、子どもを2人産めますとプロフィールに堂々と書いていて、男性から引かれてしまったケースがありました。

著名人の高齢出産のニュースだけを見て、自分も大丈夫だと思い込んでしまう。その裏で、長年の努力や苦労があったり、不妊治療に多額のお金がかかっている場合もあることが想像できていない。考えが浅いと言わざるを得ません」

現実から目を背けた婚活迷子たちに、植草さんの言葉はさらに続きます。選ばれない人の致命的な共通点、そして結婚相談所が絶対に言わない本音とは。

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植草美幸:結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。自信が代表を務める相談所で、みずから受け持つコースでは、年間成婚率80%を達成するなど、業界異例の結果を出している。著書に『ガラスの靴、はかせます!〜成婚率80%の結婚相談所〜』(ぶんか社コミックス)、『ワガママな女におなりなさい』(講談社)、『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)、『結婚の技術』(中央公論新社)など。

※本記事で使用している写真はイメージです。

【聞き手・文・編集】滝沢悠

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