今年で14回目となる「アジアのベストレストラン50」の授賞式が、3月25日に香港で開催、本年のベスト50のランキングが発表された。アジア各国地区内で活躍するフードジャーナリストやシェフら350人余りからなる「Asia’s 50 Best Restaurants Academy」の評議員の投票により、レストランのランキング、種々のアワード受賞者が選出される。本年の授賞式は香港での開催、体感温度の高さとも相まって現地の熱気もひとしおだった。
昨年No.1の座に輝いたバンコクの「Gaggan(ガガン)」はNo.3にランクダウンし、その牙城を切り崩したのは「広東料理の革新者」として名高い香港の「The Chairman(ザ・チェアマン)」。忘れられつつある中国南部の高級食材や伝統的な技法を讃える広東料理で、地元香港のみならず世界中のグルメ人の間でも高い支持を集めてきた同店が、2021年以来となる首位の座に返り咲いた。昨年のNo.2からさらなる一歩を踏み出す形での戴冠に、会場も大いに沸いた。
首位奪還を機に、今年は香港の年とでもいうべき存在感がランキング全体に漂った。シェフ兼オーナーのヴィッキー・チェン(Vicky Cheng)氏が、中国八大料理の伝統をフランス料理の技法で革新的に再解釈している「ウィング(Wing)」がNo.2に続き、「ネイバーフッド(Neighborhood)」(No.24)、ナポリ料理の「エトロ(Estro)」(No.32)、フォーシーズンズホテル香港内にある「カプリス(Caprice)」(No.35)、ラテン・アメリカスタイルの「モノ(Mono)」(No.46)と、計6軒が香港からランクインした。授賞式の開催都市としての底力を、存分に示したかたちだ。
都市別では、バンコクが計9軒で最多となった。「ガガン(Gaggan)」はNo.3に入り、タイのベストレストラン賞も受賞。「ヌサラー(Nusara)」(No.5)、「ガガン・アット・ルイ・ヴィトン(Gaggan at Louis Vuitton)」(No.8)、「ソーン(Sorn)」(No.12)、「ズーリング(Sühring)」(No.18)、「ポトン(Potong)」(No.25)、「ミス・マリア&ミスター・シン(Ms. Maria & Mr. Singh)」(No.27)、「ル・ドゥ(Le Du)」(No.36)、「ワナ・ユック(Wana Yook)」(No.47)とバンコクのレストランシーンの層の厚さを印象づけた。
