妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

各地で小学校の卒業式が行われる季節になりました。6年間を共に過ごした仲間との別れと新たな出発を祝うこの日に、放置子にまつわる思わぬ出来事に困惑した母親がいます。

こども家庭庁の令和5年度児童相談所における児童虐待相談対応件数によると、ネグレクト(保護の怠慢・拒否)の相談対応件数は3万6465件にのぼります。全虐待件数22万5509件のうち16.2%を占めており、放置子と呼ばれる子どもたちの背景には、こうした数字が静かに横たわっています。

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こうした状況に、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話します。

「放置子と呼ばれる子どもたちの問題は、子ども自身にあるのではありません。その背景には、親が子どもの居場所や感情に無関心であるという構造的な問題があります。卒業式というハレの日でさえ、わが子の過ごし方を他人任せにしてしまう親がいる現実は、ネグレクトの一形態と捉えることもできます」

横山みずほさん(仮名・45歳)が困惑したのも、まさにそんな出来事でした。

「男女6人の子どもとママ友たちとは、本当に親戚のようなお付き合いをさせてもらってきました。小学校の卒業式の後は、みんなでファミリーレストランに集まって食事をする予定を立てていました」

数週間前からパーティルームを予約し、その後は自宅での二次会まで計画していたというみずほさん。ところが卒業式の終了後、思わぬ人物に声をかけられます。同じ保育園出身ながら、現在は知り合い程度の間柄だった同級生・Aくんの母親でした。

ーうちの子もサイゼリヤに連れて行ってくれない?

すでに予約がいっぱいであることなどを伝え、丁寧に断ったにもかかわらず、Aくんの母親は引き下がりません。さらにはみずほさんたち親ではなく、子どもたちに直接こう迫ったのです。

ーうちのAも連れて行ってよ。仲間外れにしないでよ。

「子どもたちはここまで言われてしまったら、嫌だとは言えませんよね。断っても引き下がらない姿からは、子どもを大事に思っている気持ちはまるで伝わってきませんでした」

結局、Aくんも加わることになったこのお祝いの会。しかしその数時間後、さらに驚くべき展開が待っていました。

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※本記事で使用している写真はイメージです。

【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】こども家庭庁「令和5年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数」

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