妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

今年、警視庁が署長や本部課長を務めた警視正の男性(当時60代)を、部下を萎縮させる「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」があったとして更迭・処分しました。この事案は、組織において「不機嫌」を撒き散らす行為が決して見過ごせない問題であることを、改めて社会に突きつけました。

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厚生労働省の「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年以内にパワーハラスメントを経験したと回答した労働者の割合は19.3%。約5人に1人が、今もなお職場でのハラスメントに晒されています。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、こう話します。 「ハラスメント対策の研修は進んでいますが、問題は研修を受けても変わらない“特定の人”の存在です。特にフキハラのようなグレーゾーンの行為は、本人が無自覚であることが多く、周囲の疲弊を招きやすいのが特徴です」

清水慎吾さん(仮名・29歳)も、まさにそんな職場環境に置かれた一人でした。

「会社で講習が行われても、結局は特定の人だけが改善しません。そういう人は『自分だけは大丈夫』だと思い込んでいる。メタ認知能力が低すぎるんです」

慎吾さんの50代上司・M氏は、1日20回以上の大きな「ため息」がデフォルト。話しかけても無視され、返ってくるのは「俺たちの若い頃は」という自分語りばかりでした。さらに慎吾さんは、M氏が気の弱そうな部下を意図的に狙い撃ちにする姿を目の当たりにします。

「その態度は、ほぼ『いじめ』です。無視をしたり、仲間外れにしようとしたり……。こういう大人がいるから、子どもたちのいじめもなくならないんだろうなと感じました。飲み会では同僚に向かって『どうせお前、誰とも付き合ったことないんだろ』と放言。言葉にするのも嫌になるほど、恥ずかしい言動でした」

あまりにも目に余る行動に、慎吾さんはついにある決断を下します。

「徹底抗戦してやろうと思ったんです」

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※本記事で使用している写真はイメージです。

【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」

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