「我慢して机に向かわせる」ことが、実は勉強嫌いをつくる原因でした。教育心理学に基づくと、脳は安心感と笑いがある時に最も高い学習効果を発揮します。
今回は東京大学、大学院で教育を学んだ永島瑠美さんの著書『東大でとことん教育を学んでわかった! 勉強にハマる子の育て方大全』(青春出版社)を一部抜粋してご紹介いたします。
勉強を「つらい敵」から「最高の遊び」へ。偏差値を20アップさせた実績を持つ著者が、子どもが自ら机に向かい出す「勉強沼」への誘い方を明かします。
勉強というと、どうしても「我慢してやるもの」「真剣に取り組むべきもの」「頑張るもの」というイメージが強いようです。
これは、塾にいらっしゃる親御さんたちとお話しする中でも、強く感じます。
でも、そう思ってしまうのも、ある意味当然かもしれません。私たち親世代が子どもだった頃も「勉強しないと、将来困るよ!」「ちゃんと宿題しなさい!」と、周りの大人から何度となく言われてきたのですから。
でも、教育心理学を学び、学習塾を経営し、子どもたちの「学び」に人生の多くをかけて向き合ってきた私がお伝えしたいメソッドは、この「頑張るメソッド」とは真逆のものです。
私がお伝えしたい「子どもが勉強にハマる」ために必要なこと。
それは、「勉強に遊びゴコロを取り入れて、勉強を笑いでいっぱいにすること」。
「え、勉強と遊びは別でしょ?」「勉強は真剣に取り組まないと、身にならないよ」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、「我慢して机に向かうことで、勉強ができるようになる」そんな大人の勘違いが、子どもを逆に勉強から遠ざけ、勉強が苦手な子をつくりだしているのです。ですから、徹底して「勉強=子どもにとって楽しいもの、子どもがやりたいもの」になる方法をお伝えします。
実は、子どもは「笑っているときに一番学んでいる」ということを、ご存じでしょうか。笑っているとき、また、安心感がある状態のときは、新しいことを受け取る準備が整います。さらに、心身ともにポジティブな状態であれば、新たなことを学ぼう、挑戦しようという気持ちも高くなるのです。
反対に、勉強が「やらされるもの」である場合はどうでしょう。緊張感、ネガティブな気持ちからの不安感、焦りは、脳のパフォーマンスを下げます。つまり、学ぶ意欲も学ぶ姿勢も整わなくなり、成果も出にくくなるのです。
私は教育心理学の研究や塾の現場で、何千回もこの事実を見てきました。これまでの経験から、「遊びゴコロに裏付けられた学びに勝るものはない」と確信しています。
私の塾に来るのは、勉強が得意な子ばかりではありません。むしろ、「勉強なんてやりたくない」「やっても、どうせできない」という思いを抱いた子も多くいます。
でも、そんなふうに「勉強が嫌い」と言っていた子の多くが、「勉強って楽しい」と言いながら机に向かう子に変わっているのです。
たとえば、私の塾に通っていた小学3年生の男の子。
算数の文章題が大嫌いで「僕、算数向いてない」が口癖でした。でも、それは算数との向き合い方が少し違っていただけ。買い物ごっこをしながら、文章題に取り組んだところ、「あれ? 楽しい! できる!」と成功体験ができ、自信もついていきました。そして、数カ月後には、苦手だった算数が好きな教科に変わっていたのです。
この他にも、勉強に遊びゴコロを少し取り入れただけで、苦手教科が好きになった子がたくさんいます。また、勉強にハマり、結果として偏差値を20以上伸ばしたり、難関中学・高校へ進学した子も少なくありません。
