妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

昨今の日本ではタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパが重視されるが、子育てはそう簡単にはいかない。共働き世帯が増え、「時間がない」という悲鳴が多く聞こえるなか、少子化が進む現実も理解できる。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

「厚生労働省の『令和6年 国民生活基礎調査の概況』によると、児童のがいる世帯のうち母が『仕事をしている』と回答したの割合は80.9%に達し、比較可能な2004年以降、過去最高を記録しました。これは非常に高い数字です」

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共働きが当たり前になった今、議論の的となっているのが平日の学校行事やPTA活動だ。

「保護者会や懇談会などの行事が平日に行われることは少なくありません。土曜授業が減った影響や施設の都合などにより、学校側も平日開催を『止むを得ない選択』としている側面があります。そんななか、懇談会などへの出席率低下に頭を悩ませる保護者や教員も少なくないようです」

今回お話を伺った田川瑞穂さん(仮名・41歳)も、先日参加した懇談会の出席者がわずか4人だったことに驚いたという。田川さんは夫と2人の子どもと暮らしながら、現在は時短勤務で家事と仕事を両立させている。

「本当に毎日やることが多くて大変です。子どもの学校関連の用事は、正直に言えば負担に感じることもありますが、一度も顔を出さないのは先生にも申し訳ない気がして」

瑞穂さんは忙しいスケジュールの合間を縫って、クラス懇談会には極力足を運ぶようにしている。 「半休を取らなければならず調整は大変ですが、普段お世話になっている先生にご挨拶をしたいですし、他の保護者の方との情報交換の場にもなればと思って参加しています」

最近の懇談会の出席率は極端に下がっているという。

「小学1年生の時は半分くらいは参加していましたが、高学年になるにつれ閑古鳥が鳴く状態に。この間なんて、36人クラスで出席者はたったの4人でした」

そんな折、保育園で一緒だったママ友のAさんとスーパーで偶然再会した瑞穂さん。世間話の中で、懇談会の話題になったときのことだ。

ーえー。あんなの、暇でも行かないよ。私は6年間一度も行ったことない。だって、つまんないじゃん!なんか一言しゃべんなきゃ行けないのも嫌だし。

あっけらかんと言い放つAさんに、瑞穂さんは言葉を失った。 「仕事でどうしても都合がつかないのなら分かりますが、『暇でも行かない』という答えには正直驚きました」

これに対し、平塚氏はこう指摘する。 「各ご家庭にそれぞれの事情があるのは当然ですが、公共の場でのつながりや役割を『つまらない』という個人的な感情だけで切り捨て、それを悪びれず口にしてしまう点には、社会性の欠如や幼さを感じざるを得ません」

瑞穂さんは最後に、複雑な心境をこう漏らした。 「『行けない』のと『行かない』のとでは、意味が違います。しかも、そのママ友が懇談会を欠席してまでしていたことを知り、さらに疑問を感じてしまいました」

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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】長瀬洋 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省|令和6年 国民生活基礎調査の概況

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