韓国から日本へ、ゴルフバッグを抱えての移動。空港〜ホテル〜ゴルフ場を行き来するたびに、重いキャディバッグとスーツケースを運び、タクシーや電車、レンタカーを乗り継ぐ──。
旅行自体は楽しみであっても、「移動と荷物」の負担はゴルファーにとって常につきまとう課題である。この“見えない不便さ”にロジスティクスとモビリティの両面から切り込もうとしているのが、Allbil Corp. だ。
2023年に韓国・仁川で設立された同社は、ゴルフバッグ配送と送迎サービスを統合したモビリティプラットフォーム 「Birdybee(バディービー)」 を通じて、ゴルフ旅行の体験そのものを再設計しようとしている。
(※同社は、2025年12月開催の「Startup JAPAN EXPO 2025 in 大阪」へ、Creww KoreaおよびCrewwがディレクションする「Creww ASIA PAVILION」に出展。)
ゴルファーの「移動ストレス」を解消する

Allbilが着目したのは、スコア以前の“スタートライン”にある負担である。
空港〜ホテル〜ゴルフ場を移動するたびに、重いゴルフバッグを持ち運ばなければならない
送迎手配、レンタカー、荷物預かりなどの調整に時間と手間がかかる
高価なクラブ・ギアであるにもかかわらず、輸送時の破損や紛失の不安がつきまとう
創業者のチェ・デハン氏は、複数のゴルフグループで最年少コーディネーターを務めた経験を持ち、現場でゴルファーの不便さを直接見てきた人物である。
その中で、「プレー以外のロジスティクスが体験価値を下げている」という構造的な問題を痛感し、よりシームレスなゴルフ旅行を実現する事業としてAllbilを立ち上げた。
「Birdybee」とは何か──ゴルファーのための総合モビリティプラットフォーム

Allbilの中核サービスが、ゴルフ旅行者向けモビリティプラットフォーム 「Birdybee」 である。
Birdybeeは、単なる配送サービスでも、単なる送迎サービスでもない。
ゴルフバッグ配送と運転手付き送迎を一体の体験として提供することで、ゴルファーの移動を“丸ごと”引き受ける点に特徴がある。
自宅・空港・ホテル・ゴルフ場間のゴルフバッグ配送
空港〜ホテル〜ゴルフ場をつなぐドライバー付き送迎サービス
旅行日程やティーオフ時間に合わせたスケジュール連動型モビリティ
ユーザー側から見れば、「いつ・どこから・どこへ移動し、どこでクラブを使いたいか」を指定するだけでよく、それ以外のロジはBirdybeeが裏側で最適化する。
ゴルフ旅行体験の中から、「運ぶ」「探す」「手配する」といった煩雑さを極力排除する設計である。
プレミアム配送を支える「Birdycap」というハードウェア
Allbilの差別化要因のひとつが、独自開発のハードケース 「Birdycap(バーディーキャップ)」 である。
高価なクラブ・ギアを守るために設計されたプレミアムケース
長距離輸送や国際配送にも耐えうる堅牢性
視認性を高めたデザインと統一ブランディングによる安心感
これにより、単なる“荷物”としての配送ではなく、「大切な道具を預ける」という心理的ハードルを下げるプレミアム配送体験を提供している。
Birdybeeは、ソフトウェア(プラットフォーム)とハードウェア(Birdycap)の両面で、ゴルファーの安心と快適さを設計している点が特徴である。
ネットワークと顧客基盤──韓国500以上のゴルフコースをカバー
Allbilはすでに、韓国内で500以上のゴルフコースに対応する配送・輸送ネットワークを構築している。顧客基盤も明確である。
150社以上のB2B顧客
5,000人以上のVIPゴルファーを中心とした会員・利用者
とくに、韓国経済連合会や韓国国際貿易協会のメンバー企業に所属するエグゼクティブ層など、プレミアムなゴルフ旅行ニーズを持つ利用者の支持を獲得している点は、同社のポジショニングをよく表している。
日本市場を「必然の選択」と見る理由
Allbilが最初のグローバルターゲットとして選んだのが日本市場である。
その理由はデータにも表れている。
2024年時点で、日本を訪れる韓国人旅行者は880万人超とされ、依然として増加傾向にある。
地理的近さ
豊かな食文化
多彩な観光地
そして、世界的にも評価の高いゴルフコース群
これらの要素が組み合わさり、日本は韓国人にとって「最も身近でプレミアムなゴルフ旅行先」のひとつとなっている。
Allbilにとって、日本進出は単なるオプションではなく、「韓国人ゴルファーの移動体験をアップデートするうえで避けて通れないマーケット」という位置付けである。
すでに始まっている日本での取り組み
Allbilはすでに、日本での事業基盤づくりをスタートさせている。
東京・大阪エリアにおいて、現地パートナーと連携した空港送迎サービスを提供
物流面では、
⚪︎韓国〜日本間の国際エクスプレス便サービス
⚪︎日本国内の空港〜ホテル〜ゴルフ場をつなぐエコノミー配送サービスという二段階モデルの構築を進行中である。
これにより、韓国発のゴルフ旅行客が「クラブを韓国で預け、日本のゴルフ場で受け取り、そのままプレーする」といった体験を、シームレスに実現する構想である。
日本企業との共創テーマ──旅とゴルフの“余白”をデザインする
Allbilが日本で求めているのは、単なる業務委託先ではない。
プレミアム旅行者やゴルファー向けの新サービスを共に設計・運営するパートナーである。
想定される協業領域は幅広い。
物流:空港・港・倉庫・宅配との連携によるラストワンマイルの最適化
ホスピタリティ:ホテル・旅館・リゾートとのパッケージ化やCX設計
モビリティ:送迎車両・MaaS・ローカル交通との統合
ライフスタイル:ゴルフ場・リゾート開発・富裕層向けサービスとのコラボレーション
Allbilは、「小さな一歩から始めること」を信条としている。
小規模なパイロットから共に検証し、実際のユーザーフィードバックを積み重ねながら、
長期的なパートナーシップとしてスケールさせていくアプローチである。
成長戦略──日本からアジアのゴルフモビリティへ
中長期の成長戦略として、Allbilは以下の方向性を描いている。
グローバル展開:
日本を最初の海外市場と位置づけ、その後 タイ、インドネシアなどアジア主要ゴルフデスティネーションへ展開
データとAI:
ゴルファーの移動・プレー・嗜好データを蓄積し、
旅行とゴルフのニーズに応じたAI駆動型パーソナライズド・キュレーションシステムを構築
エコシステム構築:
モビリティ、宿泊、ゴルフ場、ライフスタイルサービスをつなぐ「ゴルフトラベルOS」としての立ち位置を目指す
単なる運送会社ではなく、ゴルフ旅行者の時間と体験をデザインするプラットフォーム企業へと進化しようとしているのである。
日本企業へのメッセージ
最後に、日本企業の担当者に向けたAllbilからのメッセージを紹介したい。
私たちの最大の強みは、「最善を尽くす」という姿勢です。
そして、そのために持てる力をすべて注ぎ込みます。
韓国と日本を行き来するゴルファーにとって、移動の不便さは“当たり前の我慢”として受け入れられてきました。
しかし、それは本来テクノロジーとパートナーシップで解決できる課題だと考えています。
Birdybeeを通じて、クラブを運ぶストレスから解放され、
「プレーと旅そのものに集中できる時間」を、日本の皆さまと一緒に提供していきたいと思っています。
どんなに小さな相談でも構いません。
まずは一歩目を一緒に形にし、ユーザーの声を聞きながら、
長期的なWin-Winのパートナーシップへ育てていければ幸いです。
profile

チェ・デハン(Daehan Choi)/Allbil Corp. 創業者・代表取締役
物流およびゴルフ分野で10年以上の経験を持ち、複数のゴルフグループで最年少コーディネーターとして、ゴルファーの旅行・ラウンド手配を統括。
現場で培ったロジスティクスの知見と、プレーヤー視点の課題意識を背景に、2023年、韓国・仁川にAllbil Corp.を設立。
「IT技術でゴルフ業界を未来の革新産業へ変革する」ことを掲げ、Birdybeeを通じたゴルフモビリティの新しいスタンダードづくりに取り組んでいる。
URL:https://birdybee.kr/



