
2月6日、ニューヨーク証券取引所で撮影。 REUTERS/Brendan McDermid
[8日 ロイター] – 米株式市場は急激な変動に見舞われ、一部のセクターや資産が打撃を受けている。こうした市場環境にあって投資家は、価格変動の大きい資産でリスク許容度の見直しを進めつつ、より割安で規模の小さい企業へと目を向けている。
T・ロウ・プライスの資本市場戦略担当ティム・マレー氏は「市場を押し上げてきた銘柄の売りは一服したかもしれない。代わりに全く別の銘柄で積極的な買いの波が見られる」と話す。

S&P 500 sector performance since tech’s recent peak on Oct 29, 2025
<小型株が急騰>
投資家はこの数週間、長年にわたり強気相場をけん引してきたハイテク株の上昇が工業やヘルスケア、小型株に広がるとみて資金を投じてきた。
プロシェアーズのグローバル投資ストラテジスト、シメオン・ハイマン氏は「超大型ハイテク株以外の銘柄が脇に追いやられる状態がそれまで長期間にわたり続いていただけに、昨年秋に目に見え始め、この数日で非常に顕著になった上昇相場の裾野の広がりは今後も続くと思う」と予想。今回は増配銘柄や均等加重指数、小型企業が勝ち組になりそうだとの見方を示した。
こうした予想は、これまで急騰していたセクターのリスクを再評価する動きが投資家の間で起きていることが根拠となっている。再評価の対象は貴金属、ハイテク株、さらにはビットコインなどより投機的な資産だ。
「投資家は、これら全ての資産に打撃を与えたさまざまな要因に反応し、ポートフォリオを組み替えたり、最も取引が集中している投資対象から距離を置こうとしたりしている」と、バラスト・ロック・プライベート・ウェルスの資産アドバイザー、ジム・キャロル氏は指摘した。投資家は市場が「落ち着く」までの避難先を探そうとしており、こうした流れに指数が反応し、日中の値動きが「驚くほど激しくなっている」という。
<根強いAIの収益性巡る懸念>
市場の動きを注視するトレーダーは、株式市場の6日の大幅上昇を深読みすべきではないと警告する。投資家のリスクに対する姿勢は変わっておらず、これまで下げ局面で確実に買いを入れてきた多くの投資家は市場への再参入には明らかに慎重で、動きが鈍っているという。
マッコーリー・グループのグローバル為替・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は「今後、人々は強い疑念や疑問を抱き続けるだろう」と話した。これから注目されるのは、ハイパースケーラーが新たな設備投資計画からどのように利益を生み出すのか、そしてこうした設備投資が、AIによって置き換えられ得る既存事業にどの程度の打撃を与えるのかという点だ。
インフォームド・モメンタム・カンパニーの最高投資責任者兼ポートフォリオマネジャー、トラビス・プレンティス氏は「ディフェンシブ株の騰勢は本物で、単なる短期的な取引ではなく、投機的資産の巻き戻しを反映していると思う」と述べた。
こうした動きの結果として市場は、長年もてはやされてきた銘柄と、リターン狙いで注目を集める新たな銘柄との間でますます二極化していると、シティグループの米国市場ストラテジスト、スコット・クロナート氏は指摘。「われわれがAI論争に熱中している間に投資家は、保有銘柄をさらに高い価格で買い増すだけでは満足できないと思うようになり、市場は既に別の方向へ動いている。資金の流れが変わり、エネルギー、素材、生活必需品、工業などのセクターへと静かに移動している」と説明した。
クロナート氏によると、こうした景気敏感セクターは年初来の上昇率が2桁に達し、S&P総合500種の1.3%を大幅に上回っている。
同氏は「上昇相場の広がりは予想されていたが、感覚が麻痺するような、これほど荒れた形になるとは思っていなかった」と口にした。
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