妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

中学・高校受験が佳境を迎えている2月。子どもの将来を案じ、家族が一丸となって受験生を支える時期だ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

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「インフルエンザなどの感染症が猛威を振るう時期でもあります。また、今年は積雪の影響もあり、受験生にとってはスケジュール通りにいかない不測の事態も想定されます。親としては、心身ともに万全の体制で子どもを送り出したい時期でしょう」

受験期間は特に、子どもの精神的な負担になるような事態は「御法度」とされる。ところが、家庭の事情は千差万別だ。今回お話を聞いたのは、あまりにデリケートな問題に直面したある家庭のケースである。

「高校受験を控える娘の母親が、48歳で妊娠したケースです。超高齢出産といえる年齢でもあり、多感な時期の子どもが複雑な感情を抱くのは、決して不思議なことではありません」

厚生労働省の「人口動態統計(2024年)」によれば、45歳以上の女性による出生数は1,734人。出生数全体(約68万6千人)から見れば約0.25%と、非常に少数派である。

「1985年の同統計では45歳以上の出生数は245人だったこと思うと医療技術の進歩により、40代後半での妊娠・出産が『あり得ないこと』ではなくなっている現実も浮き彫りになっていると言えるでしょう」

お話を聞いたのは、都内在住の籠原瑠美さん(仮名・40歳)。彼女には8歳年上の姉がいる。

「姉は私とは対照的に、昔から『30歳までには絶対に結婚したい』と公言していました。真面目で奥手、常に学級委員を務めているようなタイプでした」

姉は宣言通り29歳で結婚し、現在は中学3年生の娘と中学1年生の息子を育てる専業主婦として、家族に尽くす日々を送っているという。

「夫婦仲は決して悪くないと思います。ただ、妹の私から見ると、少し家族に依存しすぎているようにも感じていました」

瑠美さんは姪や甥と非常に仲が良く、彼らが瑠美さんの家に泊まりに来ることも多い。昨年末のこと、受験生の姪から「泊まりに行きたい」と連絡があった。そこで瑠美さんが耳にしたのは、驚きの告白だった。

ーお母さんが最近、朝からずっと吐いてるの……。絶対、妊娠してる気がする。

瑠美さんは「驚きを隠せませんでした」と当時を振り返る。姪の告白はさらに続いた。

ー今までずっと別々に寝ていたのに、今年になってから急にパパと同じ寝室になって。弟も気づいてる。……まじでハズいし、勘弁してほしい。

平塚氏は、こうした家族間の葛藤について次のように指摘する。

「親の幸せや権利と、子どもの感情は必ずしも一致しません。特に思春期の子どもにとって、親の『性的な側面』を突きつけられることは、生理的に強い嫌悪感や心理的な抵抗を伴うものです。受験という極限状態において、家族間のコミュニケーションが不足すると、子どもに深いトラウマを植え付けるリスクもあります」

瑠美さんは最後に、苦渋の表情でこう語ってくれた。

「その後、姉に真偽を確かめました。彼女から返ってきた言葉に愕然とするとともに、姪の気持ちを思うと本当に胸が痛みました」

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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】もりかえで PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省|令和6年人口動態統計(確定数)の概況

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