NISA 成長投資枠 3年 運用効率ランキングは? 

前回取り上げたNISA・成長投資枠の3年リターンランキングに続いて、今回は異なる視点からランキングを提示します。前回のコラムは こちら をご参照ください。

足元のマーケットは、国内株式においては衆議院解散・総選挙を意識した急上昇の反動などによる調整局面、海外株式においてはデンマーク領グリーンランドを巡る米欧の対立を警戒した調整局面となっています。

こうしたマーケットの変動が大きくなると予想される状況下においては、リスク(値動きの振れ幅)をある程度抑えて、安定したリターンを上げたファンド、つまり運用効率が高いファンドが注目に値すると考えます。

運用効率はシャープレシオ(=(リターン-安全資産利子率)÷標準偏差(リスク))で確認することができます。シャープレシオは金融商品の投資効率性を評価する際に使用する代表的な指標のひとつです。運用で取ったリスクに見合うリターンを上げたかどうかを測る指標で、リスク1単位あたりの超過リターンを計測し、この数値が大きいほど投資効率が高いことを示します。

そこで今回も、NISA・成長投資枠対象ファンド(SBI証券取り扱いの1,506本、1/21時点)に絞って、3年間で優れた運用効率を実現したファンドといえる3年のシャープレシオに着目してランキングにしたものが図表1となります。

2026年のサッカー・ワールドカップ開催に合わせて、SBI証券の運用効率ベスト11としました。

参考としてNISAで人気のeMAIXS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)を表示しましたが、ベスト11はオルカンの運用効率(3年シャープレシオ)を大きく上回る実績となり、カテゴリーはすべて国内株式ファンドとなりました。

運用効率ベスト11を確認すると、3年リターンがオルカンを上回るファンドが半数以上で、3年でオルカンを下回ったファンドも1年リターンではすべてオルカンを上回って好成績です。加えて、値動きの振れ幅を示す標準偏差(3年)を見るとすべてのファンドがオルカンよりも小さくなっています。国内株式ファンドの標準偏差が相対的に小さいのは為替変動の影響を受けないことも一因といえます。さらに、参考として示したTOPIXインデックスファンドのリターン(1年、3年、5年)をすべてのファンドが上回っており、かつ高い運用効率を実現しています。まさに攻撃と守備のバランスの取れた日本代表のようです。

それぞれのファンドの特徴についてコメントします。

図表1 NISA 成長投資枠 3年 シャープレシオ ランキング (SBI証券の運用効率ベスト11)

※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成
※NISA・成長投資枠対象ファンド(SBI証券ネット取り扱い)を3年シャープレシオ降順に表示(2025年12月末基準)
※同じ運用会社による同じマザーファンドに投資しているファンドは3年シャープレシオの最上位のみを表示
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

運用効率に優れた国内株式ファンドの特徴と活用方法は?

1位の三井住友・配当フォーカスオープンは配当に着目し、中長期的な株価の上昇と配当収入による成長を目指すファンドです。組入上位銘柄は三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、いすゞ自動車、野村不動産ホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は96銘柄、予想配当利回りは3.5%です(※)。シャープレシオ(3年)は業界トップの3.15となっており、特に運用効率に優れたファンドといえます。

2位の好配当ジャパン・オープン(愛称:株式時代)は、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を主な投資対象としたファンドです。組入上位銘柄はトヨタ自動車、三井住友トラストグループ、NTT、三井化学、太陽誘電などとなっており、組入銘柄数は98銘柄、予想配当利回りは3.23%となっています(※)。

3位のSMT 日本株配当貴族インデックス・オープンは、TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している銘柄を対象としているS&P/JPX配当貴族指数(配当込み)に連動する投資成果を目指すファンドです。組入上位銘柄はインフロニア・ホールディングス、日本新薬、小野薬品工業、セントラル硝子、ノーリツ鋼機などとなっており、組入銘柄数は50銘柄、予想配当利回りは3.41%です(※)。つみたて投資枠でも投資が可能なインデックスファンドです。

4位の日本好配当株オープンは、予想配当利回りの水準に着目しつつ、配当の安定性や成長性、企業の業績動向、株価バリュエーション(割安度)等を勘案して銘柄を選定しているファンドです。組入上位銘柄は積水ハウス、日本たばこ産業、野村不動産ホールディングス、セイノーホールディングス、NTTなどとなっており、組入銘柄数は56銘柄、予想配当利回りは3.6%となっています(※)。

5位のNZAM 日本好配当株オープン(3カ月決算型)(愛称:四季の便り)は、予想配当利回りが高いと判断される銘柄を中心に、株価の割安度等にも着目して投資銘柄の選定を行うファンドです。組入上位銘柄は住友電気工業、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、トヨタ自動車などとなっており、組入銘柄数は98銘柄、予想配当利回りは3.39%です(※)。標準偏差はやや大きいですが、1年・3年・5年リターンではバランス良く好成績となっています。

6位のフィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)は、個別企業分析により企業の配当の成長性を多角的に分析し、将来の配当成長が見込まれる銘柄を発掘しており、ポートフォリオの平均予想配当利回りが市場平均以上となることを目指して運用しているファンドです。組入上位銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、SWCC、トヨタ自動車、三菱商事などとなっており、組入銘柄数は68銘柄、予想配当利回りは2.8%です(※)。

7位のアムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドは、実質的な資産価値からみた割安な銘柄のうち、株主価値の増大を図る余力がある銘柄に投資するという割安株ファンドです。組入上位銘柄は京セラ、TOPPANホールディングス、京都フィナンシャルグループ、ローム、いよぎんホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は73銘柄、組入全銘柄の平均PBR(株価純資産倍率)は0.89となっています。

8位の日本株配当オープン(愛称:四季の実り)は、相対的に配当利回りが高い銘柄を中心に、増配期待銘柄にも投資を行うファンドです。組入上位銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、ソフトバンクなどとなっており、組入銘柄数は80銘柄、予想配当利回りは2.74%です(※)。

9位のキャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)は、キャッシュフロー・バリュエーションモデルによる割安度評価と、アナリスト業績予想による業績モメンタム評価に基づく銘柄選択を行うという割安株ファンドです。組入上位銘柄は三井住友フィナンシャルグループ、三菱電機、豊田通商、コニカミノルタ、丸紅などとなっており、組入銘柄数は62銘柄です(※)。標準偏差はやや大きくなっていますが、1年・3年・5年リターンではバランス良く好成績で、特に1年リターンの高さが特筆されます。

10位のOne割安日本株ファンド(年1回決算型)は、日本の割安株へ投資し、株価のバリュエーションに着目しつつ、それぞれの企業のファンダメンタルズ等も勘案して運用を行うファンドです。組入上位銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、豊田通商、三井住友フィナンシャルグループ、トヨタ自動車、ソニーグループなどとなっており、組入銘柄数は71銘柄です(※)。

11位の日興キャッシュリッチ・ファンドは、キャッシュリッチ企業を中心に株主価値重視への経営姿勢の転換などが見込まれる企業に投資するファンドです。組入上位銘柄は、PILLAR、大成建設、ニチアス、熊谷組、スズキなどとなっており、組入銘柄数は112銘柄となっています(※)。

運用効率ベスト11は、配当に着目したファンド(主に高配当ファンド)と割安株ファンドが多くなりました。

オルカン投資家の国内株式比率は4.8%だけとなっています(2025年12月末)。

為替変動リスクのない国内株式の比率を高めたいのであれば、オルカンに組み入れられているTOPIXインデックスファンドだけでなく、運用効率に優れた国内株式ファンドを加えた分散投資が収益の安定化につながるといえます。

国内株式への分散投資においては、運用効率に優れた高配当株ファンドと割安株ファンドの併せ持ちが、長期の資産形成において有効な投資戦略になると考えます。

(※)ポートフォリオの情報は2025年12月末基準(6位のファンドのみ2025年11月末基準)。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。予想配当利回りはファンドの運用実績を示すものではありません。

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