大学1年生で妊娠が発覚し、学業と両立しながら結婚、出産を経て子育てをしてきた金子幸花さん。現在はアラフォー女性から共感を集める「おばフェス」のメンバーとしてInstagramで投稿を続けています。国は少子化対策として出産費用の無償化に向けた取り組みを進めていますが、「金銭面の余裕のなさから大変なことが多かった」と当時を振り返る金子さんに、学生出産のリアルついて伺いました。

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学生出産…夜泣きで寝不足のまま授業へ

── 金子さんは現在39歳ですが、大学1年生だった18歳のときに、当時お付き合いしていた現在の旦那さんとのお子さんを妊娠したことがわかったそうですね。どのような心境でしたか。

金子さん:産むかどうかすごく迷いました。将来、客室乗務員になりたいという夢があったので、学業をストップしたり、就職ができなくなったりするのではないかと思って不安しかありませんでした。

「かわいすぎる!」学生ママ時代の金子さんと幼少期の息子さん

実家を離れて学生生活を送っていたのですが、親に伝えた際はショックを受けていました。母からは「産まないなら別れたほうがいい。でも産むと決めたら全力でサポートするよ」と言われました。

── お母さんのお言葉、娘を思う気持ちで溢れていますね。お子さんを産もうと決めた理由は何でしたか。

金子さん:1つ上の先輩だった夫が、「夢も学業も諦めないでいいから結婚しよう」と言ってくれたことで産む覚悟ができました。大学1年生の春休みに出産をして、春休み明けから大学に通ったのですが、母が私たち夫婦の家の近くに家を借りて手伝いに来てくれていました。夫が大学を卒業して就職するまでは、両家からは経済的な面も含め本当に頼りっぱなしで。親のサポートがなければ大学に通えていなかったと思います。

── 子育てをしながら大学に通っていたそうですが、周りの方から何か言われることはありましたか。

金子さん:人から何か言われたことはなかったのですが、街で人の視線を感じることはありましたし、若くして出産したことを私自身が勝手にネガティブに考えてしまっていて。自分で決めたことなので弱音は吐かないと決め、育児も勉強も手を抜かずに、人いち倍頑張ろうと思っていました。在学中は単位を取ることに必死で。母が来られないときには学校に通えない日もあったので、今でも単位がたりなくて卒業できなかったという悪夢を見るくらいです(笑)。

周りの子たちはサークルに入ったり、友達と遊んだりして学生生活を満喫してキラキラしているように見えました。私はそういったことができなかったので、羨ましく思うこともありました。

── 育児と学業の両立で特に大変だったことは何でしたか。

金子さん:まとまった勉強時間を確保できなかったことです。子どもの面倒を見ながらの勉強はどうしてもこまぎれになってしまって。でも、それが習慣になっていくと隙間時間をうまく有効活用できるようになったと思います。あとは睡眠不足が大変でした。夜泣きの対応や、夜間に夫と交代でミルクをあげて、どんなに寝不足でも次の日に授業に行くというのは当たり前で。これは仕事をしながら育児をしている方も同じだと思いますが、当時は若くて体力があったので乗り越えられた部分は大きかったと思います。

家族に支えられながら客室乗務員の夢叶え

── 在学中に就活もされたと伺いました。

金子さん:昔から客室乗務員になりたいという夢があったので、同級生と同じ時期に同じように就活をしました。エントリーシートや面接で結婚や子どもの有無について聞かれることはなかったので、就活中は、結婚や出産していることを自分から言うこともないかなと思っていました。入社してから人事の方に報告し、「勤務に支障はないですか」と確認されました。

── 職業柄、家に帰れない日もあったかと思います。どのように育児と両立していたのですか。

金子さん:1つ上の夫が先に就職していたのですが、ありがたいことに母が大学卒業後も近くにいてくれていて。子どもは日中、保育園に通っていましたが、私がいないときは母と夫が協力して子育てをしていました。今考えると本当に無謀といいますか、破天荒だったと思うのですが、夫も母と仲が良く、母も息子をとてもかわいがってくれていて。本当に家族に助けられました。

制服姿がお似合い!CA時代の金子さん

── 夢を諦めずに叶えたことで、どんな心境の変化がありましたか。

金子さん:結婚、出産、子育てを経験して、無事に大学を卒業できて就職できたというプロセスを経て働けていることへの達成感もありましたし、周りに支えられていることへのありがたみも感じていました。夫が転勤になったタイミングで退職したので働いていたのは2年弱でしたが、充実した日々でした。

── その後、7歳差でふたり目を出産されました。ひとり目の子育てとはどう違いましたか。

金子さん:ひとり目のときは同世代で子育てをしている友人はおらず、子育てで頼れるのは親だけだったので、若さゆえの経験がなさや未熟さがあって育児を大変だと感じていました。当時は今ほどSNSの情報もなく、育児書は読んでいましたが、育児に関しては母からの情報が主でした。

2人目を産んだときは年齢を重ねた経験から育児に対する心の余裕がまったく違っていたと思います。7歳差で2人目を産んでいるので、早くに子育てが終わるというわけではないのですが、いちばん手がかかる幼少期が過ぎているので、周りと違って30代、40代に比較的自分の時間があるように感じます。あとは金銭面の余裕が、育児の大変さを減らせるということにも気づきました。

学生時代は、親から援助を受けていたとはいえ、そこまで余裕がなかったので、便利な育児グッズやサービスを使うことは控えていました。ふたり目のときに電動タイプのバウンサーやベビーモニター、ミルク用の保温ポットなどを使ったのですが、そういったものをうまく利用すれば、こんなに育児の手間やストレスは減らせるんだと思いましたね。

自分の顔を見てショック「変わりたい」

── その後、美魔女コンテストに出場されました。何かきっかけはあったのですか。

金子さん:しばらく専業主婦で子育てに専念していたのですが、30代半ばに差し掛かったときに、自分の顔のたるみやシワがふと気になって、「こんなに老けていたかな」とショックを受けたことがありました。「このままではいけない、変わりたい」と思って始めたのがInstagramでした。もともと好きだったファッションの投稿などをしていくうちに、自分の意見に自信を持って発信できていないことに気がつきました。また、私が感じていた年齢を重ねることで起きる見た目やファッションの悩みは、多くの同世代の女性が共通で抱いているものだということもわかりました。

ちょうどそのころ、美魔女コンテストの募集を目にして。外見の美しさだけではなく、さまざまな人生経験を積んでいる方が出られていることに感化されました。これまで、学生で結婚、出産したことは近しい友人には話していましたけど、基本的には聞かなければ言わないでおこうと思って過ごしてきました。でも、もしかしたら私のこの経験が、「誰かの役に立つかもしれない」と思って、思いきって応募することにしたんです。

ビビッドカラーのドレスも着こなす撮影中の金子さん

── ファイナリストに選出され、特別賞を受賞されました。どんな心境の変化がありましたか。

金子さん:下の子が小学4年生の、少し手が離れてきたと感じた36歳のタイミングで応募したのですが、周りは40代、50代の方が多く、みなさん本当にかっこいいんです。外見の美しさはもちろん、内面も本当に素晴らしくて。こういう年齢の重ね方をしたいと思いました。

それまでお肌は強いほうだと思っていて、スキンケアも夫がドラッグストアから買ってきたメンズ用のものを使うなど適当に済ませていたのですが、コンテストに出てから美容の勉強を始めました。外見に変化があると、内面も変わっていくのがわかって、だんだん自信がついていったことは大きな変化でした。

専業主婦だったときは、子どもの送り迎えや習い事、ママ友など子どもを中心とした交友関係でしたが、コンテストに挑戦したことでいろいろな出会いがありました。今は美容やファッション誌のほか、Instagramを中心に活動させてもらっています。友人と「おばフェス」というグループを組んでダンスリールなどを作っているのですが、同世代の女性から共感のコメントをいただけるのはうれしいです。

学生時代の伏線を回収する現在

── 結婚20年目になるそうですね。改めてこれまでの人生を振り返ってみていかがですか。

金子さん:振り返ってみても今がいちばん楽しいです。40歳目前で、大学生のころにできなかった、美容やファッションに力を入れたり、女友達と遊んだりということを楽しんでいます。あのころの伏線を回収しているのかなと思うこともありますね。

今があるのは、私の頑張りではなく母の頑張りだったのではと思うくらい、母には感謝してもしきれません。苦労をかけたぶん、親孝行もしっかりしていきたいです。夫は、本当に約束を守ってくれる人で、生涯大切にするといった言葉を今も守ってくれています。私は今も夫のことが大好きで、この思いは20年経っても変わっていません。若いときに忙しく過ごしてきたので、これからは夫婦でゆっくり旅行に行く時間を作れたらいいですね。

── 金子さんと同じように、学生で結婚や出産を迷っている方がいたらどんな声をかけたいですか。

金子さん:子どもが小さい時期を過ぎてから助けてくれた方に恩返しもできますし、そこから社会にも貢献ができると思うので、結婚も出産も諦めないでほしいと思います。社会人になってから結婚して子育てをしている方も、自分や周りの方が病気になるなど、突然、さまざまな事情から働けなくなることもあると思います。私自身もそうだったように、学生時代に出産、結婚をするという決断は勇気が要ることですが、自分の思いに耳を傾けてほしいですし、人に頼ることをマイナスにとらえず、大切な人を守ってほしいと思います。

取材・文:内橋明日香 写真:金子幸花

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