【画像】My Hair is Bad、熱狂的なホールツアー東京公演

My Hair is Bad「いいんですか?」「ただ」などで見せる愛情深いアレンジ

 その中で、特に話題となったのが、My Hair is Badの「いいんですか?」だった。アーティストそれぞれが独自の解釈と愛のあるアレンジを加える中で、My Hair is Badは「いいんですか?」の歌詞の中に、RADWIMPS「ラストバージン」のフレーズを織り交ぜたのだ。さらにいうと、〈どんぶりで50杯は軽くおかわりできるよ〉の一節が、私には〈どんぶりで10杯は軽くおかわりできるよ〉と聴こえる。もしかするとどちらとも取れるように歌っているのかもしれないが、このフレーズを聴いたとき、率直に「やっぱり、マイヘアっていいなあ」と思った。「大人になった今、確かに50杯いけるとは言えないもんなあ」「『いいんですか?』の歌詞に盛り込むならこのフレーズしかない!ってくらいの完成度だなあ」――そんなことを思いつつ、私自身もこの曲とともに過ごしてきた長い年月を回想しながら何度も聴いた。私たち聴き手も、リリース当時から考えれば多くの年齢を重ねてきたけれど、昔も今もこの曲を愛し続けてきたんだなと気づかせてくれる、本当に愛情深いアレンジだった。

 My Hair is Badは、過去にもストレイテナーの「REMINDER」、サンボマスターの「ラブソング」、ELLEGARDENの「金星」、クリープハイプの「ただ」でトリビュート作品に参加している。中でも「金星」には、自らのバンド活動のきっかけともなったELLEGARDENへの想いを込め、「ただ」では「ウワノソラ」の歌詞を引用しつつ先輩への敬愛を表し、「REMINDER」はテンポも速くし、歌詞も新たに加えながら自らの決意と成長を託している。そもそも“トリビュート”とは、“賛辞”や“敬意”といった意味を持つ言葉であり、My Hair is Badのアレンジ方法は一見トリッキーに見えるかもしれないが、実は彼らはその意図にすこぶる忠実だ。相手の想いに応えようとする真面目さ、憧れの存在に対する情の深さ、そして「マイヘアらしい」と思わせる思い切りの良さには感服する。いつだって彼らには、表現への躊躇がないのだ。

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