写真提供:日刊工業新聞/共同通信イメージズ
生命保険業界で、AIを活用した営業DXが加速している。日本生命は顧客データ基盤と独自AIによるレコメンドで営業の意思決定を支援し、太陽生命やソニー生命もAI搭載端末やライフプラン分析システムを導入する。経験依存だった営業はどう変わるのか。3社の取り組みから、保険営業の精度と価値を高める戦略を探る。
保険業界で進むDX
企業経営において常に問われるのは意思決定の質である。なぜなら意思決定の質そのものが、競争優位を生み出すことに直結するからである。それゆえどの企業もその質を高めることに余念がない。
意思決定の質を高めるための営みは従来、経営資源の中でも人的資源の育成を中心に行われてきたが、近年では物的資源の開発が進み、特にデジタル技術の進化には目を見張るものがある。その象徴ともいえるのが生成AIやAIエージェントだ。
デジタル技術を取り入れて競争力を高める企業が増える中、生命保険業界でもAIを活用して営業力の強化を図る動きが活発化している。
保険営業は従来、個人の経験や人脈に頼るところが大きかったが、豊富な顧客データを活用して顧客情報を分析し、提案力の強化を図ることでカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上につなげている。
デジタル化された顧客データの蓄積とAIによる最適なソリューションが、人の限界を補い、営業職員の認知を広げ提案の精度と質を高める。その狙いは、保険契約のライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めることにある。
実際、保険業界では、営業現場へのAI導入によるDXの取り組みが、全方位で進められている。
