この際だ。もう、正直に言おう。「年を重ねるほど良くなる」と胸を張れる人間は、そう多くない。もちろん、知識や経験が増えた、と主張することはできる。だが結局のところ、顔に刻まれた皺、髪に忍び寄る白髪、骨に走る痛みが、ある真実を突きつけてくる──加齢というのは、つらいものだ。

だがクルマの話となると、事情が違う。モデルイヤーを重ねるたびに、世代が変わるたびに、洗練のチャンスが訪れる。2027年型日産「Z」のベースは、依然としてブッシュJr.の時代に開発された先代シャシーの改良版だ。しかし絶え間ないアップデートが、Zに繰り返し自らの美点を証明する機会を与えてきた。

手頃なスポーツカーがほぼ絶滅しかけた市場において、Zのたゆまぬ進化は、4ドアやFF車、あるいはEVの誘惑に流されかねないバイヤーを振り向かせる、もうひとつの武器になるのだ。

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今回最大のニュースは、シャープなエッジをまとう日産「Z ニスモ」に、6速マニュアルギアボックスが選択可能になったこと。このトランスミッションは発売当初からベースモデルには用意されていた。だが、よりスポーティなニスモにはなぜか設定されていなかった。

新たなニスモのシフトレバーは、強化されたクラッチとショートストローク化された新設計のシフターと連携して機能する。ツインターボV6エンジンはスロットルと点火タイミングが再調整され、アクセルを蹴り込んだ瞬間のレスポンスがより鋭くなっている。もちろん9速ATも引き続き選択可能だ。ただし、カーズ&コーヒー(※編集注:クルマ好きが集う早朝ミーティングのこと)で周囲から冷ややかな視線を浴びる覚悟はしておいたほうがいい。)

ブレーキとサスペンションの刷新

ニスモにはさらに、新設計のフロントブレーキが奢られた。鉄とアルミニウムの2ピース構造ローターと改良された冷却チャンネルの組み合わせだ。それによって、サーキットでのブレーキ性能を最適な温度域に保ちつつ、バネ下重量を約8.6kg(19ポンド)削減している。サスペンションも当然ながら再チューニングが施され、ステアリングラックも限界域でのキックバックを抑えるよう調整された。

Related Stories標準モデルも抜かりなし

ニスモ以外のZにも、2027年モデルで手が入った。最も目を引くのは新しいフロントフェイスで、グリルにボディ同色のクロスバーをあしらい、ノーズには「Nissan」ロゴに代わって「Z」の一文字が配された。

ミッドグレードのZパフォーマンスには、よりスムーズな乗り心地を実現する大径モノチューブショックアブソーバー、ブラック&タンの新インテリアオプション、ブラックスポークの鍛造19インチホイール、そして磁気コネクター付き15ワットワイヤレス充電器(ニスモにも搭載)が追加された。これでもう、最初のクローバーリーフでスマートフォンが吹っ飛ぶ心配はない。さらに全2027年型Zには、高速コーナリング時の燃料供給トラブルを解消する新形状の燃料タンクが採用されている。

価格と発売時期

これはアメリカ市場の話となるが、2027年型Zは今夏ディーラーに並ぶ予定だ。価格はまだ発表されていないが、今回の変更内容を考慮すれば、現行のメーカー希望小売価格から大幅に変わることはないのではないか、と予想したくなる。ちなみに、現在の価格はベースグレードのZスポーツが44,265ドル(約660万円)、Zパフォーマンスが54,265ドル(約810万円)、Zニスモが67,045ドル(約1,000万円)となっている。

Source / Road&Track
Translation / Esquire Japan
※この翻訳は抄訳である。

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