妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
「最近、常識が通じない人が増えている気がします。常識って知ってます?と聞きたい」
スーパーのパートスタッフとして働く片岡美鈴さん(仮名・49歳)は、眉間にしわを寄せながらこう語る。 引越し後の子育て、息子の不登校という困難を経て、3年前に現在のパートを始めた美鈴さん。日々の現場で痛感するのは、「非常識な客の総数が増えている」という実感だ。
こうした体感は、個人の主観に留まらない。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう指摘する。
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「厚生労働省の調査によると、顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)があったとする企業において、その内容は『繰り返される、執拗な言動』が72.1%と最多でした。現場スタッフへの精神的負荷は、今や社会問題となっています」
物価高や将来不安が続くなかで、人々の自己防衛意識が高まり、ルールの網の目をくぐるような身勝手な行動が顕在化しやすくなっているのかもしれない。
美鈴さんは「本当にさまざまなお客さまがいらっしゃいます」と苦笑いする。 店内を走り回る子どもを注意しない親、朝からレジを止めて話し込む高齢者、若い女性スタッフへセクハラまがいの言動を繰り返す老人――。そうした客の対応に追われ、スタッフの離職も後を絶たないという。
そんななか、スタッフの間で「要注意人物」として知られているのが、冒頭の夫婦だ。
「このご夫妻は私のことをご存じないでしょうけれど、実は息子と同級生のお宅なんです。ご自宅は地域でも目立つほど大きく、立派な敷地に住んでおられるのですが……」
恵まれた環境に身を置きながら、「常識の範囲内」という概念が通用しない現実に、美鈴さんは底知れぬ恐怖を感じるという。 平塚氏はこう分析する。
「『無料のものは全部もらってよい』という認知の歪みは、単なる節約術ではなく、生活環境の乱れとも連動しやすい。背景には、所有することで安心感を得ようとする“ため込み行動”と同じ心理構造が潜んでいる可能性があります」
美鈴さんは、最後に静かなトーンでこう話してくれた。
「ルールを守らないごく一部の人のせいで、ルールを守っている多数派が損をする。そのうち牛脂も有料化されてしまうのかな、と思うと、本当に悲しくなります」
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※本記事で使用している写真はイメージです。
【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】悠木律 PHOTO:Getty Images 【出典】こども家庭庁|令和5年職場のハラスメントに関する実態調査報告書
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