妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
NPO法人「むすびえ」の調査によると、2025年度の全国のこども食堂数は1万2,601か所に達し、過去最高を更新した。これは全国の公立小学校・義務教育学校の合計数(1万8,545校)の約7割に迫る規模だ。
「物価高騰や格差の拡大により、生活が困窮する家庭が日に日に増えていることを実感しています。そんななか、こども食堂は地域における重要なライフラインになりつつあります」
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こう話すのは、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏だ。
「しかし、善意から生まれた支援の場が、本来届くべき人のもとに届いているか――。いま、その問いが各地の運営者を悩ませています」
今回は、地域でこども食堂を運営する女性に話を聞くことができた。 幸田聡子さん(仮名・51歳)は、自身が経営する喫茶店で8年ほど前から、月に一度「こども食堂」を開催している。
「私自身に子どもがおりませんので、地域に少しでも貢献できればと仲間と始めました。寄付していただいたお菓子や食材に助けられながら、なんとか続けてきたという感じです」
そんな聡子さんが「変化」を感じ始めたのは、B子ちゃん(仮名)姉妹が子どもだけで参加するようになってからだ。父親が終了時間にお迎えに来る、という申し込みだったという。
「最初は快く受け入れていたのですが、徐々に違和感が募っていきました」
決定打となったのは、お迎えに来る父親の様子だった。
「ある時、母親とは異なるであろう若い女性を連れ、高級車でお迎えに来られたことがあって……。他の利用者さんからも『あのご家庭は本当に支援が必要なの?』と疑問を呈されることが増えてしまったんです」
平塚氏はこう指摘する。
「こども食堂のような共助型支援は、本来の対象ではない層が過度に関与することで、構造的な機能不全を起こすリスクがあります。善意で集まった寄付や食材が、本当に困っている家庭に行き渡らなくなる。運営者がこのジレンマで板挟みになるケースは、全国各地で静かに広がっている問題です」
こども食堂は本来、経済的な貧困だけでなく、誰もが等しく集える「地域の交流拠点」という建前を持っている。しかし、善意の寄付で成り立っているという点で、一部の富裕層がその理念を「安価な子守サービス」として利用することは、支援の優先順位を著しく歪ませているのではないだろうか?
聡子さんは最後に、複雑な胸中を明かしてくれた。
「本当に支援を必要としている人に、どうすれば安心して足を運んでもらえるのか。今も答えは出ません。ただ、B子ちゃんの父親がSNSに『こども食堂は子守も食事もタダで最高』と投稿しているのを見てしまって……。その投稿から垣間見える華やかな暮らしぶりを目にし、モヤモヤした気持ちが消えません」
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※本記事で使用している写真はイメージです。
【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】森田 曜 PHOTO:Getty Images 【出典】NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ|2025年度全国箇所数調査
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