この記事は2回目/全4回
──けんもさんの提唱する投資法のなかで、特に初心者が取り組むべき手法について教えてください。
kenmo まずは「新高値ブレイク投資」です。これはチャートでスクリーニングを行い、過去1年半から2年程度の高値を超えてきた銘柄を拾い、そこから投資対象を見つける手法です。株が高値をつけたタイミングでエントリーし、さらに株価が上がり、より高くなったところで売却します。
──これらは、決算書を読み解く力がない初心者でも可能なのでしょうか。
kenmo 株式投資となると「決算を読めないといけない」という先入観を持つ人が多いのですが、この2つの手法に限って言えば、決算書を読み解くことができなくても株で勝つことができます。これが非常に大きいところです。
特に株で大事なのは「決算書を読めること」が必ずしも正解ではありません。ゆくゆくは読めるに越したことはありませんが、もっと大事なことがあります。それは「退場しないこと」です。
では資金管理とは何か。自分が正しいエントリーをしたならばそのまま利益を伸ばせば良いけれど、間違ったエントリーの際は「損切り」をしなければならない。損切りができない人は、退場リスクが非常に高まります。
新高値ブレイク投資の良いところは、株式投資にもっとも大事な「資金管理」や「損切り」を最初に体に叩き込むことができます。その上で決算資料を見るのは良いことですが、最初に「ファンダメンタル分析が得意」から入ると、1番大事な資金管理をおろそかにしてしまい、うまくいかなくなることがあります。
私の場合は、買った株価から8%下がったら必ず損切りするというルールにしていました。書籍によっては8%や10%と書かれているものもありますが、教科書通りに8%のラインを守っています。
──新高値ブレイク投資で銘柄を選ぶ際、具体的にどのような「変化」を重視していますか。
過去1年以内、あるいは可能であれば2年以内の新高値銘柄をスクリーニングし、その中から株高の初動に入っていそうな銘柄を、説明資料などからピックアップします。頑張って決算説明資料を読み、社長の話を聞き、あるいは「人の動き」をウォッチする。まだ他の市場参加者が気づいていなさそうな銘柄を探すのです。
──実際に大きく勝負に出た銘柄「JINS」も、そうした日常の変化がきっかけだったのでしょうか。
kenmo 当時、スクリーニングで「JINS」という銘柄が引っかかりました。格安メガネが世の中にまだほとんどない時代です。そこに、「JINSがブルーライトカットレンズの度入りタイプを発売する」というニュースが飛び込んできたんです。ブルーライトカットは、それまでは度なしタイプしか存在していませんでした。
仕事のパソコン作業に、度入りがあればいいのに、と日ごろから思っていたんです。そこで2012年6月の発売初日に店に行って、メガネを作って実際に試したところ「あ、これいいや」と確信しました。これが世の中に出れば流行ると思い、そのタイミングで大きめにロットを入れました。これだと思った瞬間に勝負に出る。投資においては、そうした判断も重要です。
聞き手:佐藤 友香(「クーリエ・ジャポン」 キャスター兼編集者)
PROFILE
kenmo(けんも)
湘南投資勉強会主催者。大阪大学大学院を修了後、東証一部上場メーカーに勤務。2011年に300万円で投資を始め、5年で1億円を達成。現在は約3億円を運用し、2018年に「湘南投資勉強会」を設立。
