妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
小学生の間で「シール交換」ブームが加熱している。ぷっくり、つやつやとした立体的なシールをめぐり、トラブルが急増しているのだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「人気のシリーズは即完売が当たり前で、高額で転売されるケースも多く見られます。さらに最近では、販売店からの悲鳴も聞こえてきます。客同士が奪い合ったり、怒号が飛び交ったりすることもあるそうです。これも一種のカスタマーハラスメント(カスハラ)に該当するのではないでしょうか」
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厚生労働省の調査によると、過去3年間に各ハラスメントの相談があったと回答した企業の割合をみると、カスタマーハラスメントは27.9%に上る。
「過度な要求や攻撃的な言動が社会問題化しているとも言えるでしょうね。『自分の権利を過度に主張する』行動は慎みたいものです。特に子どもが絡む場面では冷静な判断が必要ですが、なかなかそうはいかないようですね」
今回、お話を伺ったのは、シール交換をめぐってトラブルに巻き込まれたと話す母親だ。
宮本由紀子さん(仮名・42歳)は、小学4年生の娘を持つ働く母親だ。娘の周囲でもシールブームが加熱しているという。
「シールが流行り始めてから本当にいろいろなトラブルがあって、疲れ果てています。大人までもが目の色を変えて買い漁るのは、ちょっと異常だと思うんですけど」
ある週末、娘が児童館で友達とシール交換をした夜のこと。突然、クラスメイトAちゃんの母親から長文LINEが届いたという。
ー今日シール交換をしたみたいなんですが、お宅のダサい100均シールとうちの娘の「ボンドロ」を交換したみたいで。割に合わないので返してください。非常識です。
「子ども同士の交換ですし、親が出ていく場面ではないと思ったのですが、相手の怒りが伝わってきたので、面倒なことになる前に返したほうがいいと判断しました」
娘にきちんと事情を説明し、翌日シールを返却したのだが――。Aちゃんママは、それだけでは怒りが収まらなかったという。
平塚氏は、こう指摘する。
「子ども同士の遊びに、大人が金銭的価値観を持ち込むのは危険です。『高いものを持っているほうが偉い』という価値観を子どもに植え付けることになり、健全な人間関係を阻害します」
由紀子さんは最後にこう話してくれた。
「その後、Aちゃんママはさらなるトラブルを引き起こすことに……。Aちゃんを気の毒に思いましたね」
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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】長瀬洋 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省|令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査
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