「ディフェンダー」の初代モデルは、エリザベス女王や二度にわたって首相を務めたウィンストン・チャーチルといった英国のセレブリティから愛用された。第二次世界大戦からの復興にあたって、さまざまな現場で活躍したことで信頼を勝ち取り、ブランドイメージを高めた。こうした史実に則り、広大な荷室を備える商用車仕様の「ディフェンダー ハード トップ」が登場した。

ディフェンダー ハード トップ「HARD TOP」というモデル名は1950年代の商用モデルから引き継いだもの。

かつて大英帝国を復興させた働くクルマ

スポーツタイプからクーペスタイルまで、SUVにはさまざまな種類があるが、こんな分類もできる。それは、「働くクルマ」として生まれたSUVと、「遊びのクルマ」として開発されたSUVだ。

前者の代表が「ディフェンダー」で、1948年に発表された初代(当時の呼称はランドローバー)は、第二次大戦後のイギリスの復興を担った。資料を見ると、「ディフェンダー」が消防車や救急車、さらには農耕車として、さまざまな現場で働いていたことがわかる。

そしてついに、長寿モデルとして2016年まで生産された初代からバトンを引き継いだ2代目「ディフェンダー」にも、“働くクルマ”仕様が設定された。「HARD TOP」という初代の商用モデルの名を引き継いだこのモデルは「ディフェンダー 110」がベースだ。運転席と助手席の直後にパーテーションを設置することで、広大なラゲッジスペースが生まれている。

ただし、荷室が広いだけならばワンボックス車と変わらない。「HARD TOP」は、磨き抜いた4輪駆動システムや急勾配の上り下りでも“お腹”を擦らないボディ構造、さらに最大渡河水深900mmという圧巻のオフロード性能を備えた、どんな現場にも駆けつける頼れるヤツなのだ。

「働くクルマ」に由来するSUVのほうが、スノーボードやサーフィンを楽しむために生まれたSUVより偉いわけではない。それでも、豪雪地帯や未舗装の山奥でこのクルマが活躍しているシーンを想像すると、その格好よさにシビれる。高速道路のサービスエリアで「HARD TOP」を見かけたら、手を合わせて拝んでしまうかもしれない。

率直、全長5m弱で乗車定員2名というのは贅沢で、価格も価格だからユーザーは限られるだろう。だから大ヒットはしないかもしれないが、ランドローバーというブランドの本質に立ち返った重要なモデルであることは間違いない。

DEFENDER HARD TOP 110

ディフェンダー ハード トップの内装<SPEC>
エンジン:3.0L 直列6気筒ディーゼルターボ
ボディサイズ:全長4945×全幅1995×全高1970mm
乗車定員:2名 
最大積載容量:2059L 
最高出力:350PS 
最大トルク:700Nm
最大牽引能力:3500kg
最大渡河水深:900mm
床下収納容量:155L(前席)+58L(後部)
価格:¥9,980,000〜

問い合わせ
ランドローバーコール TEL:0120-18-5568

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