肌が喜ぶこと、気分が高まること、心をほぐしてくれること。それにくわえて、これからは“そのブランドがどんな未来を目指し行動しているか”にも目を向けてみたい。あたらしい美しさの基準は、自分の目で選び取る時代へ──。今回は、資生堂、アルビオン、ナチュラルサイエンス、ドクターブロナーの取り組みを紹介。

資生堂

豊かな地下水を循環させ、大切な資源を守っていく

工場内には、製造から包装まで化粧品づくりの一連の流れを見学できる施設を完備し、環境対策や生産技術の実験ワークショップも実施。

生産拠点のひとつである那須工場を支えるのは、栃木県那須野ヶ原の清らかな地下水。その水を汲み上げた良質な地下水が、エリクシールやベネフィークなど中高価格帯を代表するスキンケアづくりの土台となっている。

工場の周辺にある湧水地では、国の指定天然記念物「ミヤコタナゴ」など清流でないと生存できない魚が育つ。

化粧品に使う水には厳格な基準があり、純度を高める約10のプロセスのなかでは、薬品を使わずにイオン除去を行うほか、ろ過した水の再利用にも取り組み、水使用量を約45%削減。排水も、県条例の基準をさらに上回る独自の基準を設け処理を行うなど、環境負荷の低減につなげている。

2024年には、地元の農業高校に通う13名の生徒と工場周辺の農地の水資源調査を実施。今後は、行政や生活者、農業従事者、教育機関など地域との連携を深めながら、那須野ヶ原の貴重な地下水を循環させる仕組みづくりを目指す。

アルビオン

自社工場で出た廃材をスキンケア用品の容器に

〈アルビオン〉が全ブランドの製造を手がける熊谷工場では、これまで廃棄されていた緩衝材やポリ袋などの包装資材を回収し、ケミカルリサイクルによって化粧品の容器として生まれ変わらせる循環型モデルを始動。

この取り組みは、リファインバースグループ、三菱ケミカル、日本ポリプロ、吉野工業所が構築した資源循環モデルに参加することで実現したもの。2025年8月にリニューアルしたシリーズ「フラルネ」では、ボトルやキャップなどの一部にこの再生プラスチックを採用し、デザイン性や品質を損なうことなく、資源を無駄にしない姿勢をかたちとして伝える。

2023年より続けている清掃活動には、全拠点でのべ800人以上のスタッフが参加。工場周辺でも川に流れ込む前のゴミを取り除く活動をすることで、水を守り、熊谷だけに生息する幻の魚「ムサシトミヨ」の暮らす清流を支える。

そのほかにも、沖縄研究所では、マングローブの種子のついた木を間伐することで湿地面積の減少を防ぎ、炭素を吸収し抱え込む力を保ちながら、高潮や洪水から海辺の森を守る取り組みも。

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