画像:森七菜さんInstagramより

2025年秋クールドラマが続々と最終回を迎えています。今クールも全ドラマをチェックしたアラフォー筆者が、印象的な演技をみせてくれた女優3人をご紹介します。
※一部作品のネタバレを含みます。

◆白鳥玉季『ぼくたちん家』

まずご紹介したいのが、『ぼくたちん家』(日本テレビ系)で、15歳のトーヨコ少女・ほたるを演じた白鳥玉季です。及川光博と手越祐也が演じる、性格も生い立ちも対照的な男性カップルを“保護者”として頼るという役どころ。訳ありの3000万円もの大金を抱え、大人びているけれどどこか愛に飢えているという設定でした。

◆15歳の瑞々しさで大人たちを圧倒する存在感

何より驚かされるのが、ベテラン俳優陣を相手に一歩も引かない存在感。もともと年齢の割に大人びた表現が上手な女優ですが、本作のヒロインも見事に務め上げています。

離婚して“保護者”であることを放棄した父(光石研)と母(麻生久美子)には冷めた目線を向けたり、淡々と論破したりする一方で、ふと滲ませる淋しげな表情とのギャップには惹き込まれました。親の影響で大人にならざるを得ない15歳でしたが、だからこそ抱く孤独や思春期ならではの不安を抱えながらも、周囲の人たちとの交流を通じて心を開いていきます。

その過程を白鳥が丁寧に表現したからこそ、自分自身のやりたいことを見つけて、笑顔で前に進んでゆく姿を見せた最終回では、観ているこちらも心から嬉しくなりました。まだ15歳。これからの活躍が楽しみでなりません。

◆森七菜『ひらやすみ』

次にご紹介したいのが『ひらやすみ』(NHK総合)に出演した森七菜です。東京・阿佐ヶ谷にある平屋で暮らす、主人公・ヒロト(岡山天音)のいとこ。美大に合格したことで、山形から上京しヒロトとふたり暮らしを始めることになる18歳の小林なつみ役を演じました。

◆青年期ならではの“こじらせ”をチャーミングに表現

ハツラツとした笑顔のヒロインイメージが強い森ですが、本作では全く違います。

終始不機嫌そうでした……(笑)。山形から上京してきたばかりの瑞々しさとあどけなさ。それに将来への不安や、自意識を多分に持て余す不器用な若者を解像度高く表現していました。「なんで私だけうまくいかないのか」といういら立ちから、不機嫌をまき散らしたり、落ち着かない動きをしたり。

のんきなヒロトとの対比も相まって、かなり目が離せない存在でした。基本的には自分本位で自意識過剰な女の子ではありますが、森は観る者に嫌悪感を与えない絶妙なさじ加減で演じています。チャーミングな不機嫌顔を愛おしく思わせてくれるのです。原作ファンも納得の“なっちゃん”役は、森の新たな魅力を引き出していました。

◆宮

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