『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』7-1

【漫画】本編を読む

ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagramでエッセイ漫画を描くゆっぺさん(@yuppe2)。ブログは2021年に月間3000万PVを記録し、「ライブドアブログ OF THE YEAR 2021」最優秀グランプリを受賞。彼女が執筆した『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』では、戦前から生きる祖母・キヨさんの幼少期からの実体験を漫画化して話題となった。

本稿では著者のゆっぺさんと、物語の主人公である現在92歳のキヨさんに交互にインタビュー。今回は、高等小学校の1年目を通い終えて工場に就職し、寮生活を送った当時のキヨさんの思いを語ってもらった。

■「とっても気楽」だった工場勤めと、夢のような寮生活

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キヨさんは、工場への就職を決めた理由について、「もう家にいることに耐えられなくて、工場への就職を決めて戻らないつもりで家を出ました」と語る。8月という農作業で大忙しの季節に家を出たことについて、「今、振り返ると義姉さんはよく出してくれたなと思います」と述懐する。

工場での生活は不慣れなことが多かったはずだが、キヨさんは「とっても気楽でした」と振り返る。「働く時間が決まっていて、あとは何をしていてもいい。叔母さんの家でしたことはなかったので、こんな気楽なことでいいのだろうか?と思うくらい気楽でした」と話す。朝食は自分で炊いたものの、「昼と夜のご飯もお風呂も会社の寮の人が用意してくれるんですよ?夢のような生活でした」と語った。

■「嫁入りのためにお金がないと思われたら困る」…気遣いからの帰郷

せっかく家を出られたのに、なぜ叔母の家に戻ったのか。キヨさんはその理由を明かした。義姉からの手紙に、自身がやっていた畑仕事を一人でこなしている様子が書かれており、「義姉さんが大変な思いをしていると思ったら、かわいそうになってしまって…。帰るのは嫌でしたが、正月に帰省した際に『戻ってこんか?』と言われたので戻ることにしました」と語る。

さらに、「なぜかというと義姉さんのこともありましたが、もう19か20歳になっていたので、そろそろ嫁入りの年ごろ。ここでまた工場に働きに出ると、あの家は嫁入りのためのお金がないから私を働きに出したんだと周囲の人に思われたら、叔母さんたちも困るだろうとも思ったのです」と、周囲の評価を気遣っての帰郷だったことを明かした。

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