男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:2回目のデートは、日帰りドライブ。高級外車で迎えに行った男に女の本音とは

雄大と出会った時、どこかで運命的なものを感じた。
年齢は彼が31歳で、私が29歳とバランスが良く、ふたりとも埼玉出身で、しかも出身大学まで一緒。
だから食事会で初めて会った時、彼とは一気に盛り上がった。
「俺たち、共通点多すぎじゃない?」
そう言いながら笑った雄大の笑顔は本当に素敵で、この時私は恋に落ちたと思う。
しかも食事会の後、2回デートをした。
最後は、彼の部屋まで行った。でももちろん、何もしていないので安い女にはなっていない。
それなのに、急に雄大から連絡が来なくなってしまった。
一体何を雄大は考えていて、私とこの先どうなるのだろうか…。
Q1:初デートで、男は女にどういう印象を抱いた?
雄大と出会った食事会で、私たちは共通点が多かったこともあり、かなり盛り上がった。この会は2対2の合計4名だったけれど、私と雄大、もう二人…と綺麗に分かれた。
正直に言うと、一目惚れだったのかもしれない。
高身長で、優しい笑顔。彼氏としても素敵だけれど、「いいパパになりそうだな」なんていう未来まで想像できてしまうほどだった。
そしてこの会の翌日、雄大に個別でLINEを送り食事へ誘ってみた。
― Misato:雄大くん、昨日はありがとう!昨日話していた餃子のお店、六本木にあるんだけど。今度一緒にどうかな?
実は食事会の最中に、デートに繋がるような「美味しい餃子」の話を振って、種まきをしていた。完璧なフリだったし、その流れを汲んだLINEを、我ながら綺麗に送れたと思っている。
すると雄大からもすぐに返信が来て、私たちは中華デートをすることになった。
当日、私はものすごく洋服に悩んだ。派手すぎてもダメだと思う。とはいっても初デートだし、カジュアル過ぎる感じにもしたくない。
結局、私はデニムにショート丈のカーディガン…という、洋服で向かうことにした。
「では、乾杯!」
『スチーム Dim sum&Wine』で、まずはビールで乾杯する。今日も雄大はかっこよくて、思わず見るだけでドキドキしてしまう。

「美里ちゃん、餃子が好きなんだ。意外だね」
「そう?餃子とビールって、最高の組み合わせじゃない?」
「わ〜。そういうの、わかってくれる系だ。嬉しい!」
餃子とビールが好きなことに、嘘偽りはない。
でも少しだけ、「こういうカジュアルな感じにも合わせられる女子って、モテるよね」という計算も入っている。
「雄大くんは、何が好きなの?」
「食べ物だと、餃子大好き。あとはカレーとか、唐揚げとか…」
「何それ。子どもみたい」
可愛らしくて、思わず笑ってしまう。
「それ、よく言われる。たぶん俺、舌が子どもなんだと思う」
「でもいいね。ご飯とか作っても、何でも喜んでくれそう」
「それはもちろん!むしろ、ご飯なんて作ってもらえたら感動して泣いちゃう」
「本当に?いつでも作るよ」
人並みだけれど、一応ご飯は作れる。むしろ好きな人のためにご飯を作るなんて、憧れのシチュエーションだ。
「マジで!?美里ちゃん、ご飯作れる人?」
「うん。普通の家庭的な料理しかできないけど…」
「それがいいんだよ」
「いつでも作るから、言ってね」
「美里ちゃんって、家庭的なんだね」
ビールをお代わりしながら、雄大が興味を持ってくれたので、私は心の中でちょっとだけガッツポーズをする。
― 家庭的で、いい女って思ってもらえたかな。
そう相手に思わせられたら勝ちだから。そして楽しいデートはあっという間に時間が過ぎてしまい、食事も大満足で終わった。

「あ〜お腹いっぱい。この後どうする?」
雄大からの誘いに、もちろん私は食い気味で乗った。
「せっかくだし、もう1軒行かない?」
「美里ちゃんが、大丈夫なら」
「もちろん。今夜は何時まででも」
「さすが。じゃあもう1軒行こう!」
結局深夜まで一緒に飲み、とっても楽しく初デートを終えることができた。
「美里ちゃんといると、楽しいわ。またご飯行こうよ」
「うん、絶対に行こう。私も雄大くんといると本当に楽しいな♡」
この楽しい初デートの余韻に、私は一週間くらい浸っていた。
Q2:二度目のデートで男が女に対して思った事は?
そして初デートから二週間後。
と送ったLINEに応えるような形で、デートが実現した。今日は恵比寿にあるおしゃれな創作系和食を予約してくれていた雄大。
― こんな良い雰囲気のお店でデートって…。結構本気で考えてくれているんだ。
そう思うと、嬉しくなる。心躍りながらお店へ到着すると、雄大はすでに着いていたものの、何か真剣に考えている表情でスマホを見ていた。

「雄大くん、お待たせ!どうしたの?何だか思い詰めたような表情だけど」
「え?あ、ううん。何でもない。ちょっと仕事のメールが来ていたから、その対応をしてただけだよ」
「そうなんだ」
しかし、それと同時に少し嫌な予感もする。
― もしかして、彼女…?
こんな素敵な人だもの。彼女がいないとは限らない。
― 彼女に、女の子と二人で食事が行くことがバレて、まずい状況になっているとか…?
そんなことを考え始めると、急に不安になってきた。
「美里ちゃん、元気だった?」
「え?う、うん」
「彼女が、本当はいるのかも」と疑っていると、会話もつい上の空になってしまう。せっかく楽しいデートなのに、これでは台無しだ。
だから極力考えないようにしようと努める。
でも、やっぱり気になる。
食事も中盤に差し掛かり、お酒もほんのり回ってきた頃。私は耐えきれず、本人に聞いてみることにした。
「雄大くん。今って、彼女いないの?」
すると、とても驚いたような顔をした雄大。
「どうしたの、突然」
「いや、ちゃんと聞いていなかったなと思って。もし彼女がいるなら、彼女に申し訳ないからちゃんと言ってほしい」
私なりに、かなり頑張って言ったと思う。するとその気持ちに応えてくれたのか、雄大はまた優しい表情になった。
「今はいないよ、本当に。そんなに心配なら、この後うちに来る?何の女性の痕跡もないから、自由に見ていいよ」
「本当に?」
たしかに、家に行ったらすぐわかる。こうして、私たちは1軒目を終えて、雄大の家へ行くことになった。

「ね?何もないでしょ」
雄大の家はとてもシンプルで、物があまりなかった。“ただの男性の一人暮らし”という感じで、女性の影は感じられない。
「本当だ。ごめんね、疑って」
「いいよ全然。それより、何か飲もうよ」
「うん」
この日は結局、雄大の家に3時間くらいいた。ムード的にキスまでしたものの、それ以上は何もしていないし、ちゃんと帰宅した。
それなのに、この日以降雄大からの連絡は途絶えてしまった。
家まで行って、キスまでした。でも、それ以上のことはしていない。
― なんで?彼女がいるか疑ったのがダメだったのかな…。
雄大の気持ちがわからず、私はずっとモヤモヤと、どうすれば良かったのか、という後悔でグルグルと気持ちが回っている。
▶前回:2回目のデートは、日帰りドライブ。高級外車で迎えに行った男に女の本音とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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二度目のデート以降、男から連絡がなくなった理由は?

